東芝、比のHDD生産能力倍増に600億円投資

30周年の比東芝情報機器、ニアラインHDD大幅増産

2026/10/04

 東芝デバイス&ストレージは10月2日、フィリピンのHDD製造子会社、東芝情報機器フィリピン(TIP)の生産能力を増強し、2027年度には記憶容量ベースの年間生産能力を2025年度比で約2倍に拡大することを目指すと発表した。投資額は3億9,700万米ドル(約600億円)になる見込み。フィリピン大統領府は、事業拡大により約3,000人の雇用創出が見込まれると期待している。

 操業30周年のTIPは、ラグナ・テクノパーク工場(LTI、ラグナ州ビニャン市)で、データセンター向け大容量ストレージに使用される「ニアラインHDD」の生産を新たに開始し、10月2日、増設した生産ラインから初出荷した。これまで同製品は、カーメルレイ・インダストリアル・パーク工場で製造していた。

 TIPは1996年10月1日、パソコン向け2.5型HDDの製造拠点として操業を開始し、2026年10月で30周年を迎えたのである。近年は、生成AIやクラウドサービスの普及に伴うデータセンター向け大容量ストレージ需要の拡大を受け、従来は主にパソコン向けHDDを製造していたLTIで、ニアラインHDD向け生産ラインの増設を進めてきた。

 これに先立つ10月1日、ラルフ・レクト官房長官はマラカニアン宮殿で東芝幹部と会談し、フィリピンでのHDD製造事業の拡大について協議した。大統領府によると、東芝はフィリピンの製造業集積、熟練労働力、既存の生産設備、政府による継続的な支援を追加投資の基盤として評価している。レクト官房長官は、今回の事業拡大が世界のデータストレージ供給網におけるフィリピンの役割強化につながるとの見方を示した。