8月の株価4.5%下落、8カ月間で1.6%下落、新規上場ゼロ
過去最高値から3割下落、コロナ前に戻らず、不動産株長期下落
2026/09/02
<8月は4.49%下落>
フィリピン株式市場の代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の8月最終取引日(28日)の終値は5,956.33ポイントとなり、前月末から4.49%下落。中東情勢不透明感、8月27日のフィリピン中央銀行(BSP)による0.25%の追加利上げ、9月の米国利上げの可能性、フィリピン経済・政局の悪化懸念、外国人売り越し継続などを背景に、PSEiは6月11日の5,910.06ポイント以来、約2カ月半ぶりの安値へと下落した。
<8カ月間で1.60%下落>
2026年年初8カ月(1~8月)では1.60%下落した。中東紛争やそれに伴うインフレ加速やその対応策としての中央銀行による利上げ、更なる景気減速観測、正副大統領陣営間の対立激化による政局混乱懸念などを背景に、軟調な展開となった。回復には程遠い状況である。
<過去最高値からは3割下落、コロナ前に戻らず>
8月末のPSEi終値は、2020年2月のコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。また、2018年年初に記録した過去最高値9,058.62ポイントからは34%も低い水準である。
<外国人シェア48%、194億ペソの売り越し>
8カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比6.6%増の75億6,000万ペソ。外国人投資家の売買額シェアは48%(前年同期47%)で、約194億ペソの売り越しだった。また、8カ月間の外国人投資家の買い越し日は合計69営業日(1月:17日、2月:14日、3月:2日、4月:2日、5月:6日、6月:10日、7月:14日、8月:4日)。
<国内企業時価総額、9%減の13兆ペソ、PER10.58倍>
2026年8月末のPSE時価総額は前年同月末比4.2%増の19兆8,212億ペソ。しかし、そのうちの国内企業時価総額は9.1%減の13兆605億ペソへと大幅減少した。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は10.58倍となり、前年同月末の10.59倍から僅かに低下した。
<鉱業・石油株33%上昇 サービス産業株32%上昇>
8カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株+33.27%)とサービス産業株(+31.64%)が上昇し、不動産株(-17.98%)、持株会社株(-9.56%)、金融株(-8.98%)、工業株(-8.29%)は下落した。鉱業・石油株は市況上昇が寄与した。サービス産業株は、港湾業務のICTSIの大幅上昇、Gキャッシュ運営企業MYNTの新規上場期待によるグローブ テレコム株回復などが寄与した。
<不動産株長期下落、主力のアヤラランド大幅下落>
金利敏感セクターの代表格である不動産株は年間ベースで6年連続で下落を続けてきたが、2026年8カ月間でも大幅続落基調となっている。特に最大手のアヤラランド(ALI)株価は、年初から25%下落、2019年の過去最高値53.84ペソからは約0%近下落している。インフレ再燃で利下げ期待が後退、逆に再利上げ基調となっていること、マニラ首都圏のコンドミニアム在庫が非常に高水準であることが響いている。
<新規上場ゼロ、上場廃止3社、上場企業279社に減少>
表4のように、2026年8カ月間(1月~8月)の新規上場数はゼロ、上場廃止は3社。この結果、8月末の上場企業数は279社で、2025年末比3社純減、2024年末比では4社純減、ピークの2022年末の286社からは7社も純減となっている。ただし、年後半はモバイルマネー『GCash(Gキャッシュ)』を運営する「Mynt」や、PLDT(TEL)系のデータセンター資産を裏付けとする不動産投資信託(REIT)である「VITRO REIT」という2件の大型IPOが実施される見込み。
表1.PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:PSE資料より作成)
表2.PSEセクター別株価指数上昇率
(出所:PSE資料より作成)
表3.市場概況の推移(年末・年間値)
(出所:PSE資料より作成)
表4.フィリピン証券取引所(PSE)上場企業数などの推移
(出所:PSE資料などより作成)
フィリピン株式市場の代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の8月最終取引日(28日)の終値は5,956.33ポイントとなり、前月末から4.49%下落。中東情勢不透明感、8月27日のフィリピン中央銀行(BSP)による0.25%の追加利上げ、9月の米国利上げの可能性、フィリピン経済・政局の悪化懸念、外国人売り越し継続などを背景に、PSEiは6月11日の5,910.06ポイント以来、約2カ月半ぶりの安値へと下落した。
<8カ月間で1.60%下落>
2026年年初8カ月(1~8月)では1.60%下落した。中東紛争やそれに伴うインフレ加速やその対応策としての中央銀行による利上げ、更なる景気減速観測、正副大統領陣営間の対立激化による政局混乱懸念などを背景に、軟調な展開となった。回復には程遠い状況である。
<過去最高値からは3割下落、コロナ前に戻らず>
8月末のPSEi終値は、2020年2月のコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。また、2018年年初に記録した過去最高値9,058.62ポイントからは34%も低い水準である。
<外国人シェア48%、194億ペソの売り越し>
8カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比6.6%増の75億6,000万ペソ。外国人投資家の売買額シェアは48%(前年同期47%)で、約194億ペソの売り越しだった。また、8カ月間の外国人投資家の買い越し日は合計69営業日(1月:17日、2月:14日、3月:2日、4月:2日、5月:6日、6月:10日、7月:14日、8月:4日)。
<国内企業時価総額、9%減の13兆ペソ、PER10.58倍>
2026年8月末のPSE時価総額は前年同月末比4.2%増の19兆8,212億ペソ。しかし、そのうちの国内企業時価総額は9.1%減の13兆605億ペソへと大幅減少した。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は10.58倍となり、前年同月末の10.59倍から僅かに低下した。
<鉱業・石油株33%上昇 サービス産業株32%上昇>
8カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株+33.27%)とサービス産業株(+31.64%)が上昇し、不動産株(-17.98%)、持株会社株(-9.56%)、金融株(-8.98%)、工業株(-8.29%)は下落した。鉱業・石油株は市況上昇が寄与した。サービス産業株は、港湾業務のICTSIの大幅上昇、Gキャッシュ運営企業MYNTの新規上場期待によるグローブ テレコム株回復などが寄与した。
<不動産株長期下落、主力のアヤラランド大幅下落>
金利敏感セクターの代表格である不動産株は年間ベースで6年連続で下落を続けてきたが、2026年8カ月間でも大幅続落基調となっている。特に最大手のアヤラランド(ALI)株価は、年初から25%下落、2019年の過去最高値53.84ペソからは約0%近下落している。インフレ再燃で利下げ期待が後退、逆に再利上げ基調となっていること、マニラ首都圏のコンドミニアム在庫が非常に高水準であることが響いている。
<新規上場ゼロ、上場廃止3社、上場企業279社に減少>
表4のように、2026年8カ月間(1月~8月)の新規上場数はゼロ、上場廃止は3社。この結果、8月末の上場企業数は279社で、2025年末比3社純減、2024年末比では4社純減、ピークの2022年末の286社からは7社も純減となっている。ただし、年後半はモバイルマネー『GCash(Gキャッシュ)』を運営する「Mynt」や、PLDT(TEL)系のデータセンター資産を裏付けとする不動産投資信託(REIT)である「VITRO REIT」という2件の大型IPOが実施される見込み。
表1.PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
| 時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
| 2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
| 2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
| 2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
| 2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
| 2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
| 2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
| 2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
| 2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
| 2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
| 2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
| 2022年 | 6,566.39ポイント | -7.81% |
| 2023年 | 6,450.04ポイント | -1.77% |
| 2024年 | 6,528.79ポイント | 1.22% |
| 2025年 | 6,052.92ポイント | -7.29% |
| 2026年 1月末 | 6,328.97ポイント | 4.56% |
| 2月末 | 6,611.24ポイント | 4.46% |
| 3月末 | 5,948.94ポイント | -10.02% |
| 4月末 | 5,833.64ポイント | -1.94% |
| 5月末 | 5,768.76ポイント | -1.11% |
| 6月末 | 6,037.17ポイント | 4.65% |
| 7月末 | 6,236.44ポイント | 3.30% |
| 8月末 | 5,956.33ポイント | -4.49% |
| 1 - 8月 | - | -1.60% |
表2.PSEセクター別株価指数上昇率
| 項目 | 22年 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年8月末 | |
| PSE指数 | -7.81% | -1.77% | 1.22% | -7.29% | -1.60% | 5,956.33 |
| 全株指数 | -9.33% | -1.08% | 9.46% | -7.34% | -4.44% | 3,318.99 |
| 金融株指数 | 2.42% | 5.71% | 24.08% | -5.06% | -8.98% | 1,864.47 |
| 工業株指数 | -10.12% | -2.94% | 2.56% | -7.39% | -8.29% | 7,905.63 |
| 持株会社株指数 | -5.49% | -5.09% | -7.63% | -15.12% | -9.56% | 4,330.15 |
| 不動産株指数 | -9.04% | -2.52% | -16.73% | -4.25% | -17.98% | 1,866.99 |
| サービス業株指数 | -17.73% | -1.79% | 29.70% | 14.26% | 31.64% | 3,131.08 |
| 鉱業・石油株指数 | 12.57% | -7.48% | -21.71% | 92.34% | 33.27% | 20,069.88 |
表3.市場概況の推移(年末・年間値)
| 項目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 26年8月末 |
| PSE指数 | 7,122.63 | 6,566.39 | 6,450.04 | 6,528.79 | 6,052.92 | 5,956.33 |
| 年末時価総額(億ペソ) | 180,811 | 165,585 | 167,402 | 200,076 | 186,542 | 198,212 |
| 国内企業時価総額(億ペソ) | 145,637 | 132,818 | 130,968 | 145,665 | 136,176 | 130,605 |
| 外国企業時価総額(億ペソ) | 35,174 | 32,767 | 36,434 | 54,411 | 50,366 | 67,608 |
| 1日平均売買額(億ペソ) | 90 | 73 | 61 | 61 | 73 | 76 |
| 外国人の売買額シェア | 36% | 41% | 44% | 46% | 46% | 48% |
| 外国人買越額(億ペソ) | -23 | -679 | -537 | -231 | -516 | -194 |
| PER(株価収益率) | 22.84倍 | 14.51倍 | 13.23倍 | 11.96倍 | 10.13倍 | 10.58倍 |
表4.フィリピン証券取引所(PSE)上場企業数などの推移
| 年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 26年8カ月 |
| 新規上場企業数 | 4 | 4 | 8 | 10 | 3 | 3 | 2 | 0 |
| 上場廃止企業数 | 2 | 1 | 3 | 0 | 6 | 3 | 3 | 3 |
| 期末上場企業数 | 268 | 271 | 276 | 286 | 283 | 283 | 282 | 279 |




