阪急電鉄など、マニラでスマート駐輪場を実証

日本式の機械式システムとキャッシュレス決済を融合

2026/09/07

 駐輪場の開発・運営を手掛けるアーキエムズ(本社・京都市)と阪急電鉄(同・大阪市)は、フィリピン・マニラ首都圏でパーク・アンド・ライド型の駐輪インフラを構築する実証事業を共同で実施する。鉄道駅前に日本式の機械式駐輪システムと現地のキャッシュレス決済を組み合わせたスマート駐輪場を整備し、鉄道利用の促進を通じて交通渋滞や大気汚染の緩和を目指す。

 同事業は、経済産業省の2025年度補正予算による「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の小規模実証・事業化可能性調査(FS)事業に、6月30日付で採択された。公募には238件の応募があり、外部有識者による審査を経て65件が選ばれた。

 実証では、マニラ首都圏の都市鉄道LRT1号線の南側終着駅、ドクター・サントス駅の駅前用地を活用する。アーキエムズによると、マニラ首都圏で初となる日本式のスマート駐輪場を構築する計画だ。

 日本国内で導入実績のある機械式駐輪システムに、フィリピンで普及しているキャッシュレス決済を組み合わせる。料金収受を完全キャッシュレス化し、現金管理を必要としない透明性の高い運営体制を整える。

 阪急電鉄は2024年、LRT1号線の運営・保守を担うライト・レール・マニラ(LRMC)に出資参画した。今回の実証では、この鉄道事業との接点を生かし、駅までのアクセス手段の拡充と鉄道利用の促進につながるかを検証する。

 フィリピンでは、バイクなどの二輪車が自宅や目的地と公共交通機関を結ぶ移動手段として広く利用されている。一方、鉄道駅周辺では安全な駐輪施設が不足しており、鉄道利用を妨げる一因となっている。

 両社は、郊外の駅まで二輪車で移動して鉄道に乗り換えるパーク・アンド・ライドを促し、自動車などによる都心部への乗り入れを減らす考え。実証を通じて、持続可能な都市交通の実現とマニラ首都圏の交通・環境問題の改善につなげる。