9月のペソ0.6%下落、史上最安値を更新

9カ月間で6.2%下落、アジア最弱通貨の一つに

2026/10/01

 フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2026年9月の最終営業日(30日)のペソ対米ドルレート終値は1米ドル=62.640ペソとなり、前月末から0.375ペソ、率にして0.60%続落した。

 9月の終値ベースでの最安値は14日の1米ドル=62.860ペソ、過去最安値を更新した。加重平均ベースでも15日に62.850ペソと過去最安値を更新した。また、取引時間中(ザラバ)の瞬間値ベースでは、15日に1米ドル=62.925ペソで過去最安値を記録した。現時点では、この62.925ペソが史上最安値である。

 2026年9カ月(1~9月)では、終値ベースで6.15%のペソ安となった。この間の終値ベースでの最高値は2月25日の1米ドル=57.510ペソ、最安値は9月14日の62.860ペソ。米国・イラン戦争とそれに伴う原油価格の高騰、国内インフレの再加速、景気の急減速、対外収支の悪化、正副大統領陣営間の対立に伴う政局不安定化懸念などが重なり、ペソは下落基調を辿った。とくに、8月から9月にかけては、米国の利上げ懸念や実際に利上げが行われたこと、追加利上げ懸念によりペソ安に拍車がかかった。

 なお、ペソは9カ月間で、アジア主要国通貨の中で最弱の一つであったといえる。インドネシア・ルピアの約6.7%下落(速報推定値、以下同様)には至らなかったが、タイ・バーツ、インド・ルピーとともに6%台前半の下落で、インドネシア・ルピアに次ぐ通貨安グループを形成している。フィリピンには、年末にかけて海外在留比人からの故郷送金が増えるという季節的なペソ高要因もあるが、ペソ安材料も多く、一旦は63ペソ台へ下落するとの予想も少なくない。

 ペソ対米ドルレートの推移


 ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 年末・月末値 上昇率
2017年 49.930ペソ -0.42%
2018年 52.580ペソ -5.04%
2019年 50.635ペソ 3.84%
2020年 48.023ペソ 5.44%
2021年 50.999ペソ -5.84%
2022年 55.755ペソ -8.53%
2023年 55.370ペソ 0.70%
2024年 57.845ペソ -4.28%
2025年 58.790ペソ -1.61%
2026年 1月末 58.860ペソ -0.12%
2月末 57.665ペソ 2.07%
3月末 60.748ペソ -5.08%
4月末 61.485ペソ -1.20%
5月末 61.590ペソ -0.17%
6月末 61.360ペソ 0.37%
7月末 61.240ペソ 0.20%
8月末 62.265ペソ -1.65%
9月末 62.640ペソ -0.60%
1 - 9月 - -6.15%
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)