9月の株価4.7%安、9カ月間で6.2%下落と不振続く
政治・経済懸念、10年間で25%下落、世界でも最悪級
2026/10/02
<9月は4.65%下落>
フィリピン株式市場の代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の9月最終取引日(30日)の終値は5,679.48ポイントとなり、前月末から4.65%下落。2025年11月14日の5,584.35ポイント以来、約10カ月半ぶりの安値となった。
<9カ月間で6.17%下落>
2026年年初9カ月(1~9月)では6.17%下落した。中東紛争勃発による原油高、国内のインフレ加速やその対応策としての中央銀行による利上げの動き、更なる景気減速、2025年から続く大規模汚職問題による混乱、正副大統領陣営間の対立激化による政局混乱懸念などを背景に、下落基調が続いている。
また、フィリピンを代表する優良株のはずであったアヤラランド(ALI)の株価長期大幅下落も響いている。アヤラランドは金利敏感セクターの代表的存在として売られていること、業績伸び悩みにくわえ、世界的な株価指数算出会社MSCIの8月の指数見直し(リバランス)において、「MSCI Philippines Index(MSCIフィリピン指数)」から除外され、スモールキャップ(小型株)指数へ移行されたことも響いた。
このほか、10月予定のモバイルマネー「GCash(Gキャッシュ)」運営企業ミントの過去最大級の大型IPOに応ずるための資金捻出として、既存上場株式換金売りが活発化したことも株価指数下落に拍車をかけた。
<過去最高値からは37%下落、コロナ前に戻らず>
9月末のPSEi終値は、2020年2月のコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。また、2018年年初に記録した過去最高値9,058.62ポイントからは37%も低い水準である。
<9カ月間ではアジア主要市場で3番目の下落率>
ロイターによると、世界の株式市場を示す主要指数は2026年1~9月に12%超上昇した。米国のS&P500種株価指数も9月30日までに11.8%上昇している。これに対し、PSEiは6.17%下落しており、世界株全体に対して約18ポイント下回ったことになる。アジア主要市場においては、インドネシア、インドに次ぐ下落率となっている。2025年にも年間7.29%下落しており、2026年に入っても軟調な展開が続いている。
<鉱業・石油株29.87%上昇、不動産株23.28%下落>
9カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株+29.87%)とサービス産業株(+30.01%)が上昇し、不動産株(-23.28%)、工業株(-14.84%)、持株会社株(-14.51%)、金融株(-13.53%)下落した。資源株は金市況の上昇、サービス産業株は上半期のオンラインゲーミング株の急騰、港湾業務最大手ICTSIの株価大幅上昇が寄与した。
<不動産株長期下落、主力のアヤラランド大幅下落>
金利敏感セクターの代表格である不動産株は年間ベースで6年連続で下落を続けてきたが、2026年9カ月間でも大幅続落基調となっている。上記のように、特に最大手のアヤラランド(ALI)株価は大幅下落、年初から33%下落、2019年の過去最高値53.84ペソからは72%下落している。
<10年間の下落率26%、世界主要市場で最悪級>
PSEiは2016年9月30日の7,629.73から2026年9月30日の5,679.48へ低下。この10年間の下落率は25.6%に達した。これに対し、米国のS&P500は同期間に約253%高、約3.5倍となった。日本の日経平均株価も約306%高、約4.1倍となっている。
アジア市場でも、台湾、日本、韓国、インド、ベトナム、シンガポールなどが10年間で大幅に上昇したのに対し、フィリピンは25%を超える下落となった。ASEAN主要市場でも最も低調な部類にあり、比較対象を欧米など世界主要市場まで広げても、PSEiの10年間のパフォーマンスは最下位圏に位置する。
<9カ月間で新規上場1社、IPOはゼロ、上場廃止3社>
下表のように、2026年9カ月間の新規上場数は1社、上場廃止は3社。この結果、9月末の上場企業数は280社で、2025年末比2社純減、2024年末比では3社純減、ピークの2022年末の286社からは6社純減となった。
新規上場は不動産持株会社PNBホールディングス(PHC、証券コード:LTL)であり、9月25日に「イントロダクション方式(導入方式)で新規上場した。ただし、IPO(新規公募)を経ない方式の上場であり、PSEでの9カ月間のIPO案件は依然ゼロであった。
PSE指数の推移

PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:PSE資料より作成)
PSEセクター別株価指数上昇率
(出所:PSE資料より作成)
フィリピン証券取引所(PSE)上場企業数などの推移
(出所:PSE資料などより作成)
フィリピン株式市場の代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の9月最終取引日(30日)の終値は5,679.48ポイントとなり、前月末から4.65%下落。2025年11月14日の5,584.35ポイント以来、約10カ月半ぶりの安値となった。
<9カ月間で6.17%下落>
2026年年初9カ月(1~9月)では6.17%下落した。中東紛争勃発による原油高、国内のインフレ加速やその対応策としての中央銀行による利上げの動き、更なる景気減速、2025年から続く大規模汚職問題による混乱、正副大統領陣営間の対立激化による政局混乱懸念などを背景に、下落基調が続いている。
また、フィリピンを代表する優良株のはずであったアヤラランド(ALI)の株価長期大幅下落も響いている。アヤラランドは金利敏感セクターの代表的存在として売られていること、業績伸び悩みにくわえ、世界的な株価指数算出会社MSCIの8月の指数見直し(リバランス)において、「MSCI Philippines Index(MSCIフィリピン指数)」から除外され、スモールキャップ(小型株)指数へ移行されたことも響いた。
このほか、10月予定のモバイルマネー「GCash(Gキャッシュ)」運営企業ミントの過去最大級の大型IPOに応ずるための資金捻出として、既存上場株式換金売りが活発化したことも株価指数下落に拍車をかけた。
<過去最高値からは37%下落、コロナ前に戻らず>
9月末のPSEi終値は、2020年2月のコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。また、2018年年初に記録した過去最高値9,058.62ポイントからは37%も低い水準である。
<9カ月間ではアジア主要市場で3番目の下落率>
ロイターによると、世界の株式市場を示す主要指数は2026年1~9月に12%超上昇した。米国のS&P500種株価指数も9月30日までに11.8%上昇している。これに対し、PSEiは6.17%下落しており、世界株全体に対して約18ポイント下回ったことになる。アジア主要市場においては、インドネシア、インドに次ぐ下落率となっている。2025年にも年間7.29%下落しており、2026年に入っても軟調な展開が続いている。
<鉱業・石油株29.87%上昇、不動産株23.28%下落>
9カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株+29.87%)とサービス産業株(+30.01%)が上昇し、不動産株(-23.28%)、工業株(-14.84%)、持株会社株(-14.51%)、金融株(-13.53%)下落した。資源株は金市況の上昇、サービス産業株は上半期のオンラインゲーミング株の急騰、港湾業務最大手ICTSIの株価大幅上昇が寄与した。
<不動産株長期下落、主力のアヤラランド大幅下落>
金利敏感セクターの代表格である不動産株は年間ベースで6年連続で下落を続けてきたが、2026年9カ月間でも大幅続落基調となっている。上記のように、特に最大手のアヤラランド(ALI)株価は大幅下落、年初から33%下落、2019年の過去最高値53.84ペソからは72%下落している。
<10年間の下落率26%、世界主要市場で最悪級>
PSEiは2016年9月30日の7,629.73から2026年9月30日の5,679.48へ低下。この10年間の下落率は25.6%に達した。これに対し、米国のS&P500は同期間に約253%高、約3.5倍となった。日本の日経平均株価も約306%高、約4.1倍となっている。
アジア市場でも、台湾、日本、韓国、インド、ベトナム、シンガポールなどが10年間で大幅に上昇したのに対し、フィリピンは25%を超える下落となった。ASEAN主要市場でも最も低調な部類にあり、比較対象を欧米など世界主要市場まで広げても、PSEiの10年間のパフォーマンスは最下位圏に位置する。
<9カ月間で新規上場1社、IPOはゼロ、上場廃止3社>
下表のように、2026年9カ月間の新規上場数は1社、上場廃止は3社。この結果、9月末の上場企業数は280社で、2025年末比2社純減、2024年末比では3社純減、ピークの2022年末の286社からは6社純減となった。
新規上場は不動産持株会社PNBホールディングス(PHC、証券コード:LTL)であり、9月25日に「イントロダクション方式(導入方式)で新規上場した。ただし、IPO(新規公募)を経ない方式の上場であり、PSEでの9カ月間のIPO案件は依然ゼロであった。
PSE指数の推移

PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
| 時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
| 2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
| 2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
| 2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
| 2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
| 2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
| 2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
| 2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
| 2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
| 2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
| 2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
| 2022年 | 6,566.39ポイント | -7.81% |
| 2023年 | 6,450.04ポイント | -1.77% |
| 2024年 | 6,528.79ポイント | 1.22% |
| 2025年 | 6,052.92ポイント | -7.29% |
| 2026年 1月末 | 6,328.97ポイント | 4.56% |
| 2月末 | 6,611.24ポイント | 4.46% |
| 3月末 | 5,948.94ポイント | -10.02% |
| 4月末 | 5,833.64ポイント | -1.94% |
| 5月末 | 5,768.76ポイント | -1.11% |
| 6月末 | 6,037.17ポイント | 4.65% |
| 7月末 | 6,236.44ポイント | 3.30% |
| 8月末 | 5,956.33ポイント | -4.49% |
| 9月末 | 5,679.48ポイント | -4.65% |
| 1 - 9月 | - | -6.17% |
PSEセクター別株価指数上昇率
| 項目 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年9月末 | |
| PSE指数 | -7.81% | -1.77% | 1.22% | -7.29% | -6.17% | 5,679.48 |
| 全株指数 | -9.33% | -1.08% | 9.46% | -7.34% | -8.47% | 3,179.08 |
| 金融株指数 | 2.42% | 5.71% | 24.08% | -5.06% | -13.53% | 1,771.21 |
| 工業株指数 | -10.12% | -2.94% | 2.56% | -7.39% | -14.84% | 7,340.99 |
| 持株会社株指数 | -5.49% | -5.09% | -7.63% | -15.12% | -14.51% | 4,092.91 |
| 不動産株指数 | -9.04% | -2.52% | -16.73% | -4.25% | -23.28% | 1,746.33 |
| サービス業株指数 | -17.73% | -1.79% | 29.70% | 14.26% | 30.01% | 3,092.38 |
| 鉱業・石油株指数 | 12.57% | -7.48% | -21.71% | 92.34% | 29.87% | 19,558.01 |
フィリピン証券取引所(PSE)上場企業数などの推移
| 年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 26年9カ月 |
| 新規上場企業数 | 4 | 4 | 8 | 10 | 3 | 3 | 2 | 1 |
| 上場廃止企業数 | 2 | 1 | 3 | 0 | 6 | 3 | 3 | 3 |
| 期末上場企業数 | 268 | 271 | 276 | 286 | 283 | 283 | 282 | 280 |




