岸田元首相来比、マルコス大統領と会談

東京ガス参画のバタンガスLNG受入基地も視察

2026/05/01

 岸田文雄衆議院議員(総理特使)は、430日、高市早苗首相の特使としてフィリピンを訪問し、マルコス大統領およびシャロン・ガリンエネルギー大臣と相次いで会談した。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の推進やエネルギー安全保障分野での連携強化について協議した。

 マルコス大統領との会談で岸田特使は、中東情勢の緊迫化を踏まえ、アジア各国におけるエネルギー供給の強靱化の重要性が高まっていると指摘。その上で、エネルギー安全保障、経済成長、脱炭素化を同時に実現するAZECの枠組みの意義が一層増していると強調した。また、4月に開催されたAZEC関連首脳会合への同大統領の参加に謝意を示した。

 さらに岸田特使は、高市首相の親書を手渡し、日比国交正常化70周年に当たる本年、両国の幅広い分野での協力を一段と強化したい意向を伝達。11月に予定される第4AZEC首脳会合について、フィリピンとの共催に向け連携を深めていく考えも示した。

 これに対しマルコス大統領は、日本からの継続的な支援に謝意を示すとともに、現在の国際情勢下でAZECの重要性は一段と高まっていると指摘。エネルギー・経済両面での強靱化に向け、両国が緊密に協力していく必要性を強調した。会談では、「パワー・アジア(POWERR Asia)」の枠組みでの具体的協力や、AZECの機能強化についても意見交換が行われた。

 一方、ガリン・エネルギー大臣との会談で岸田特使は、フィリピンによるこれまでのAZECへの積極的関与に謝意を表明。9月に予定される閣僚会合での共同議長としての協力を要請するとともに、具体的プロジェクトの推進を通じた協力深化の必要性を訴えた。

 ガリン大臣はこれに対し、AZECが地域における重要な協力枠組みであるとの認識を示し、9月会合に向けた連携強化に意欲を表明。日本企業との協働にも期待を示した。会談にはフィリピンで事業展開する日本企業も参加し、実務レベルでの意見交換が行われた。

 今回の訪問は、エネルギーを軸とした日比協力を具体化する動きとして位置付けられ、両国の戦略的連携の深化が改めて確認された。