6月5日に5月のインフレ率発表、直前の市場予想は7.9%

39カ月ぶり高水準の可能性、中央銀行は7.1%~7.9%と推定

2026/06/02

 フィリピン統計庁(PSA)は、65日午前9時、20265月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW)が先週実施した民間エコノミスト16名による20265月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)に関する直前予想の中間値は7.9%。予想最高は8.4%、最低は6.5%であった。予想コンセンサス(中間値、市場予想)どおりの7.9%となれば、前月の7.2%からさらに加速、前年同月の1.3%からは大幅加速となる。そして、20232月の8.6%以来39カ月ぶりの高インフレとなる。

 これに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、529日、「20265月の総合インフレ率は7.1%7.9%の範囲内と推定している」と発表した。BSP5月のインフレ上昇要因として、コメ、野菜、食肉の値上がりに加え、ペソ対ドルレート下落に伴う輸入物価上昇を挙げている。一方で、燃料価格の引き下げ、野菜や果物の値下がり、電力料金の小幅値下がりが物価抑制要因となったと見ている。しかし、全体としては物価上昇圧力が優勢であり、引き続き慎重な監視が必要な状況である。

 2025年の政府インフレ目標は2%4%であるが、達成は難しい状況である。年初4カ月間平均総合インフレ率は3.9%で辛うじて目標圏内にあるが、当面高インフレが続きそうであり、年間目標は2年連続で未達となりそうである。ちなみに、2025年の総合インフレ率は1.7%で、目標の下限を下回ったことで未達となった。

 総合インフレ率とコアインフレ率の推移(2018年基準、単位:%、平均値ベース)
23年 24年 25年 25年 26年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月
総合 6.0 3.2 1.7 2.9 2.1 1.8 1.4 1.3 1.4 0.9 1.5 1.7 1.7 1.5 1.8 2.0 2.4 4.1 7.2
コア 6.6 3.0 2.4 2.6 2.4 2.2 2.2 2.2 2.2 2.3 2.7 2.6 2.5 2.4 2.4 2.8 2.9 3.2 3.9
 (出所:フィリピン統計庁資料より作成)

 フィリピンの総合インフレ率と目標の推移(2012年基準と2018年基準との比較)
18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年予 27年予
18年基準 5.2% 2.4% 2.4% 3.9% 5.8% 6.0% 3.2% 1.7% 6.3% 4.3%
12年基準 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A.
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%
 (出所:PSA資料などより作成、26年以降の予想はBSPの2026年4月23日の発表値)