フィリピン人が日本のバス運行を支える時代へ

ウイラーエクスプレス、外国籍運転士採用・育成を本格化

2026/06/04

 日本最大級の高速バス・夜行バスの運行会社であるWILLER EXPRESS(ウイラー エクスプレス、本社:東京都江東区)は、61日、深刻化するバス運転士不足への対応と、拡大する訪日外国人需要への対応を目的として、外国籍人材を含む高速バス運転士(ハイウェイパイロット)の採用・育成を本格的に強化すると発表した。

 ウイラー エクスプレスは、未経験者からプロの運転士を育成する独自の研修機関「WILLER LABO(LABO)」を運営しており、高い定着率と教育実績を積み重ねてきた。今回、この教育体制をさらに拡充し、国籍を問わず同一基準による安全教育と接客教育を実施するとともに、日本語学習や生活支援、職場定着支援までを一体的に行う新たな受け入れ体制を整備する。その第一弾として、61日にフィリピンから7人の候補生がLABOへ入校した。

 日本のモビリティ業界では、運転士の高齢化や人材不足が深刻化する一方で、訪日外国人旅行者(インバウンド)は急速な回復と拡大を続けている。こうした状況の中、都市間輸送を担う高速バスネットワークや観光交通を維持・発展させるためには、従来の採用対象にとどまらない多様な人材の活用が不可欠となっている。

 ウイラー エクスプレスは、これまで若手や未経験者の育成で培ったノウハウを活用し、外国籍人材の採用と育成を本格化することで、業界全体の担い手不足解消と、多言語・多文化に対応できる次世代の運行体制構築を目指すとしている。

 今回の取り組みの柱の一つが、安全運転技術と接客サービスを両立させる教育体制である。LABOでは約3カ月間にわたり、安全運転技術を徹底的に指導するほか、接客接遇スキルについても重点的に教育する。同社は「安全とおもてなしは表裏一体であり、相互に補完し合うもの」と位置付けており、外国籍人材に対しても日本人運転士と同じ高い基準を適用する方針だ。

 外国籍人材が安心して研修や業務に取り組めるよう、ウイラー エクスプレスは技術教育に加えて以下の支援策を実施、言語や文化の違いによる不安を軽減し、長期的に活躍できる環境づくりを進める。
・運行指示や安全確認、乗客対応に必要な専門日本語教育
・住居確保や行政手続き支援など、日本での生活立ち上げ支援
・配属後の定期フォローや相談窓口設置による職場定着支援

 今後はフィリピンに続き、インドネシア、ネパール、ウズベキスタン、インドからも候補生を順次受け入れる予定。今回の取り組みを通じて、高い安全品質と日本式の接客サービスを兼ね備えた人材を育成し、高速バス事業だけでなく地域交通の維持や観光モビリティの発展にも貢献したいと考えている。外国籍人材の活用を通じて、日本の観光立国政策やインバウンド対応力の強化を支える新たなモデルケースとして注目されそうだ。