24年第4四半期の住宅価格、6.7%上昇

コンドミニアム5.1%上昇、一戸建て12.8%上昇

2025/03/31

 フィリピン中央銀行(BSP)は3月28日、2024年第4四半期(10月~12月)の住宅の不動産価格指数(RREPI)を発表した。

 【2024年第4四半期の住宅不動産価格指数(RREPI)の動向】
 RREPIデータに基づくと、当第4四半期の全国の新築住宅の不動産価格は前年同期比で6.7%上昇した。また、前期比でも5.3%上昇した。

 地域別では、首都圏(NCR)が前年同期比0.4%低下、3四半期連続で前年同期を下回った。タウンハウスの価格下落が響いた。前期比では5.7%の上昇だった。首都圏外の地域(地方、AONCR)は前年同期比9.3%上昇し、前期比でも4.8%の上昇となった。

 全国の住宅タイプ別不動産価格の上昇率は、一戸建て(12.8%)、二戸連棟住宅(85.9%)、タウンハウス(-3.4%)、コンドミニアム(5.1%)。タウンハウスの価格のみ前年同期から下落した。二戸連棟住宅の価格は前期の大幅な低下から、当期は大幅な上昇を記録した。

 フィリピン住宅不動産価格指数の上昇率推移 (2014年第1四半期=100)
年・時期 22年 23年 24年
Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4
全国
前年同期比上昇率(%)
全住宅 6.5 7.7 10.2 14.1 12.9 6.5 6.1 2.7 -2.3 6.7
一戸建住宅 9.8 10.0 17.0 18.3 16.8 9.5 5.1 1.7 2.9 12.8
二戸連棟住宅 26.7 42.9 22.1 24.6 57.7 -33.5 36.2 27.1 -48.1 85.9
タウンハウス -16.3 -6.8 1.8 14.7 9.3 4.9 5.6 -0.8 0.7 -3.4
コンドミニアム 19.2 12.9 1.2 5.0 8.3 4.1 10.2 10.6 -9.4 5.1
前期比上昇率(%)
全住宅 4.6 2.2 1.4 5.3 3.4 -3.6 1.1 1.8 -1.6 5.3
一戸建住宅 2.7 3.2 4.7 6.7 1.4 -3.3 0.4 3.2 2.6 6.1
二戸連棟住宅 3.4 37.6 -16.4 4.8 30.8 -42.0 71.2 -2.3 -46.6 108.0
タウンハウス -2.1 8.9 3.8 3.7 -6.7 4.5 4.4 -2.6 -5.3 0.3
コンドミニアム 12.0 -4.9 -5.1 3.8 15.6 -8.6 0.5 4.2 -5.3 6.0
首都圏(NCR)
前年同期比上昇率(%)
全住宅 17.5 16.1 7.3 15.4 12.3 4.3 2.8 -1.0 -14.6 -0.4
一戸建住宅 17.9 18.0 26.2 54.1 29.6 12.4 -14.6 -37.2 -22.9 4.8
二戸連棟住宅 - 25.9 70.8 - - - - - -37.6 -
タウンハウス -7.8 8.5 13.1 21.3 0.4 18.7 16.7 13.0 13.9 -4.9
コンドミニアム 24.0 15.9 -0.8 3.7 8.6 -0.3 7.6 10.9 -14.3 4.3
前期比上昇率(%)
全住宅 14.6 -2.4 -4.3 7.7 11.5 -9.4 -5.6 3.8 -3.7 5.7
一戸建住宅 17.1 4.1 0.9 25.3 -1.5 -9.7 -23.4 -7.8 20.8 22.7
二戸連棟住宅 - - -19.4 - - - - - - 0.5
タウンハウス 7.9 4.1 0.6 7.3 -10.6 23.0 -1.1 4.0 -9.9 2.7
コンドミニアム 15.5 -6.9 -7.1 3.7 21.0 -14.5 0.3 6.9 -6.5 4.0
地方
前年同期比上昇率(%)
全住宅 2.3 4.5 11.4 13.8 14.3 7.8 7.4 4.2 3.0 9.3
一戸建住宅 8.5 8.8 15.6 14.7 15.7 9.3 8.1 7.4 6.7 14.7
二戸連棟住宅 29.4 46.4 19.4 24.5 54.5 -37.9 26.6 17.9 -51.5 98.1
タウンハウス -20.2 -12.1 -2.7 11.8 12.3 1.9 2.8 -3.8 -2.3 -3.0
コンドミニアム 5.6 3.9 6.6 8.6 8.7 14.0 13.5 7.0 3.6 6.7
前期比上昇率(%)
全住宅 -0.4 4.8 4.4 4.4 0.1 -1.2 4.1 1.2 -1.0 4.8
一戸建住宅 0.8 3.1 5.1 5.0 1.7 -2.6 3.8 4.4 1.1 4.7
二戸連棟住宅 3.4 36.6 -16.1 5.0 28.3 -45.1 71.2 -2.3 -47.3 124.4
タウンハウス -6.1 10.7 4.6 2.8 -5.6 0.4 5.5 -3.8 -4.1 -0.3
コンドミニアム 1.0 2.2 1.1 4.1 1.0 7.2 0.7 -1.9 -2.1 10.4
(出所:BSP資料より作成)
注:二戸連棟住宅の価格指数は報告された不動産融資件数が比較的少ないため、変動的であり、上昇率が不明確・不確定の場合は明記されない( - 表示)。アパートに関する指数は無。


 【2024年第4四半期の住宅ローン(RREL)の概要】
 全国レベルでの当期の新築住宅不動産融資(住宅ローン)利用件数は前年同期比10.8%減の8,897件だった。地域別では、首都圏が5.4%減の3,261件(シェア36.7%)、地方が13.7%減の5,636件(シェア63.3%)だった。

 新築住宅ローン件数の変化
地域 年間増減率(%) 前期比増減率(%)
23年Q4 24年Q3 24年Q4 23年Q4 24年Q3 24年Q4
全国 30.5 -15.7 -10.8 26.9 3.1 34.3
首都圏 38.5 -20.3 -5.4 20.3 15.8 42.7
地方 26.6 -13.0 -13.7 30.7 -2.4 29.8
(出所:BSP資料より作成)

 全国の新築住宅種類別ローン利用件数は、コンドミニアムが前年同期比7.5%増の5,244件で、全体の58.9%を占めた。うち首都圏は2.0%減の3,017件、地方は23.9%増の2,227件だった。一戸建て(独立住宅)/連棟住宅は36.2%減の2,208件(シェア24.8%)で、うち首都圏が60.8%減の87件、地方が34.6%減の2,121件。タウンハウスは13.9%減の1,399件(シェア15.7%)で、うち首都圏が6.2%増の155件、地方が15.8%減の1,244件。

 全国の新築住宅の1平米(1㎡)当たり平均評価額は前年同期比17.2%増の10万4,369ペソ。前期比では20.8%増加した。首都圏では、1平米当たり平均評価額は前年同期比6.6%増、前期比5.9%増の14万3,059ペソ。地方では前年同期比25.8%増、前期比34.8%増の8万1,983ペソだった。

 【中央銀行の住宅の不動産価格指数(RREPI)について】
 RREPIは、新築住宅(中古物件や差し押さえ物件を除く)取得に付与された実際の住宅ローンに関する銀行のデータに基づいて、戸建て住宅、二戸連棟住宅、タウンハウス、コンドミニアムなど様々なタイプの住宅価格の平均変動を測定したものである。1平米当たり平均評価額を使用して計算された連鎖指数方式である。国内の不動産市場や金融市場の動向を分析・把握する上で有益な指標として使用される。

 BSPは、2015年11月16日の回覧892号で、国内全ての商業銀行(拡大商業銀行含)、貯蓄銀行に住宅融資に関する四半期報告書の提出を義務付け、2016年6月から新築住宅の不動産価格指数の公表を開始した。これは、2022年9月14日付BSP回覧第1154号によって補足され、国内のすべてのデジタル銀行(DB)に同様の報告書のBSPへの提出が義務付けられた。