日比連合のCBK水力発電所買収、競争委員会が承認

アボイティス・住商・電源開発のサンダー連合が363億ペソで

2025/12/03

 アボイティスパワー(証券コード:AP)グループが主導する「サンダー・コンソーシアム」は、ラグナ州のカリラヤボトカンカラヤアン(CBK)水力発電コンプレックス(総出力797MW)の買収について、フィリピン競争委員会(PCC)から承認を得た。アボイティス側が122日付の開示資料の中で明らかにした。
 
 同コンソーシアムは、今年7月の再入札結果に基づき、電力部門資産・負債管理公社(PSALM)から総額約360億ペソ規模のCBK水力資産を取得する。同コンソーシアムの構成企業はAP傘下のアボイティス リニューアブルズ、住友商事、電源開発(J-POWER)である。

 CBKコンプレックスは、ルンバンのカリラヤ水力(39.37MW)、マジャイジャイのボトカン水力(22.91MW)、ラグナ湖エリアに位置する揚水式のカラヤアンI(366MW)とカラヤアンII(368.36MW)から構成される。これらは、CBKパワー社と国家発電公社(NPC)25年建設・改修・運営・移管(BROT)契約の下にある。

 PSALM20262月の引き渡しを目指しており、APのサンドロ・アボイティス財務責任者は、年内に金融クロージングを完了する計画を示している。引き渡し後、CBKコンプレックスはただちに収益貢献するとしている。

 PSALMは、CBKコンプレックスの再民営化入札において、今年718日、「サンダー・コンソーシアム」に対し、正式に落札通知を交付した。この再民営化入札は、当初予定では、2024年内に実施とされていたが、2025年に延期されたという経緯がある。同コンソーシアムは、この再民営化入札において、最高額となる3626,600万ペソを提示していた。

 なお、電源開発(Jパワー)と住友商事は、2005年に設立したオランダ法人(出資比率各50%)を通じて、CBKコンプレックスを所有するCBKパワー社および発電所の運転管理を行っているカラヤン パワー マネジメント社を買収した。2026年には25年間の事業契約期間が終了し、CBKパワー社のCBKコンプレックスを、PSALMに引き渡す。PSALMは引き渡された3発電所等を再民営化することになる。