5日に11月のインフレ率発表、直前予想中間値は1.6%

3カ月ぶり低水準の可能性、中央銀行は1.1%~1.9%と推定

2025/12/02

 フィリピン統計庁(PSA)は、125日午前9時、202511月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW)が先週実施した民間エコノミスト15名による202511月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)に関する直前予想の中間値は1.6%。予想最高は2.0%、最低は1.4%であった。予想コンセンサス(中間値)1.6%となれば、前年同月の2.5%、前月の1.7%から減速となる。そして、4カ月ぶりの減速であり、今年8月の1.5%以来3カ月ぶりの低水準となる。
 
 これに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、1128日、「202511月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)1.1%1.9%の範囲内であったと予想している」と発表した。この予想の中間値である1.5%は、上記の民間エコノミスト予想コンセンサス1.6%とほぼ同水準。

 BSP11月については、コメ、魚介類、果物、電力料金や石油製品価格の前月比上昇、およびペソ安が物価押し上げの主因になったと分析。一方で、肉類・果物の価格下落がインフレ上昇圧力を一部相殺したと推定している。

 総合インフレ率とコアインフレ率の推移(2018年基準、平均値ベース)
22年 23年 24年 25年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
総合インフレ 5.8% 6.0% 3.2% 2.9% 2.1% 1.8% 1.4% 1.3% 1.4% 0.9% 1.5% 1.7% 1.7%
コアインフレ 3.9% 6.6% 3.0% 2.6% 2.4% 2.2% 2.2% 2.2% 2.2% 2.3% 2.7% 2.6% 2.5%
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)