ウェザーニューズ、比気象庁と相互協力協定

AI活用予測提供、Googleモデルも導入し防災力向上へ

2025/11/18

  株式会社ウェザーニューズ(千葉市美浜区)は、フィリピン気象庁(PAGASA)と気象分野における相互協力協定を締結した。

 台風の通り道であるフィリピンに対しウェザーニューズが蓄積してきた高精度・高解像度の気象予測インフラに加え、Google が開発した最新AI気象モデルを活用した台風・豪雨・洪水予測コンテンツを提供し、災害リスク軽減に貢献する。ウェザーニューズとPAGASAは2015年に協定を締結して以来、協力関係を維持してきた。今回の新たな協定により、連携はより包括的かつ実務的な段階へ発展する。

 世界最多クラスの台風発生域に位置するフィリピンでは、毎年のように強い台風が上陸し、洪水・土砂災害の被害が深刻化している。今回の協力では、こうした自然災害リスクに対応するため、同社の高精度モデルを基にしたAI予測情報をPAGASAに提供。進化の著しいGoogleのAI気象モデルも活用することで、極端気象への適応力向上を図る。

<協力の主要内容>
・台風・豪雨・洪水予報に関するAI気象コンテンツの提供
 高解像度モデルに基づく台風進路、降雨量、洪水発生リスクなどの予測情報をPAGASAに供給。
・技術共有・人材育成・防災運営支援
 予測精度の向上に向けた技術交流、現地技術者の育成、災害リスク軽減における運営支援を段階的に実施。

 Google ResearchおよびGoogle DeepMindからも次のようなコメントが寄せられた。
・Raia Hadsell 氏(Google DeepMind VP Research)
 「WNIとPAGASAのパートナーシップが着実に前進していることを嬉しく思います。今後も私たちのモデルがフィリピンの気象予測に貢献できることを期待しています」

・ossi Matias 氏(Google Research VP & GM)
 「GoogleのAI気象モデルがフィリピン国内で活用されることになり大変嬉しく思います。AIと官民連携こそが、気候変動に対するレジリエンス構築と災害対策強化につながると確信しています」

 ウェザーニューズはフィリピンに先立ち、ベトナム気象水文局(VNMHA)ともMOUを締結しており、台風・豪雨対策の高度化に向けた取り組みを進めている。アジア太平洋で気象災害が増える中、ウェザーニューズは世界の気象機関と技術連携を加速し、AI予測を社会実装することで「災害に強い社会づくり」を推進する方針である。