株式:約5年半ぶりの安値、10日は57ポイント安の5,702.64に

コロナパニック時水準まで下落、10年間で20%超下落、世界で最悪級

2025/11/11

 20251110日のフィリピン株式市場は続落した。PSE株価指数(PSEi)は前営業日から56.73ポイント安、率にして0.98%下落の5,702.64ポイントで引けた。

 全体の売買代金は前営業日比51%減の696,100万ペソ(182億円)、総取引回数は27%減の65,799回。値上がり85銘柄、値下がり100銘柄、変わらず56銘柄。外国人投資家は12,200万ペソの買い越しだった。

 引き続き、台風連続襲来、災害対策事業での悪質な汚職騒動、政治的抗争、景気や企業業績鈍化懸念などが響いた。先週末に発表された第3四半期のGDP成長率が4.0%と市場予想を大幅に下回ったこともあって、市場センチメントが一段と悪化した。終値ベースでは、新型コロナ・パニック時の2020528日の5,570.22ポイント以来、約5年半ぶりの安値となった。

 202510カ月間の下落率は9.18%でアジア主要市場の中で最悪のパフォーマンスであったが、11月上旬(1日~10)3.83%下落、年初からの下落率は12.65%に達している。ちなみに、過去10年間の下落率は20%超に達している。ブルームバーグによると、世界の主要ベンチマークで最悪級のパフォーマンスとのことである。


 2025年11月10日の株式市場概要
指 数 始 値 高 値 安 値 終 値 前営業日比
PSE株価指数 5,763.46 5,784.34 5,702.64 5,702.64 -56.73
 
出来高(百万株) 1,865 9% 値上がり銘柄 85 外国人買付額(百万ペソ) 4,342
売買代金(百万ペソ) 6,961 -51% 値下がり銘柄 100 外国人売却額(百万ペソ) 4,220
総取引回数 65,799 -27% 変わらず銘柄 56 外国人買越額(百万ペソ) 122
(出所:PSE取引記録より、パーセント表示は前の営業日からの伸び率)

 PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
2020年 7,139.71ポイント -8.64%
2021年 7,122.63ポイント -0.24%
2022年 6,566.39ポイント -7.81%
2023年 6,450.04ポイント -1.77%
2024年 6,528.79ポイント 1.22%
2025年 1月末 5,862.59ポイント -10.20%
2月末 5,997.97ポイント 2.31%
3月末 6,180.72ポイント 3.05%
4月末 6,354.99ポイント 2.82%
5月末 6,341.53ポイント -0.22%
6月末 6,364.94ポイント 0.37%
7月末 6,252.73ポイント -1.76%
8月末 6,155.57ポイント -1.55%
9月末 5,953.46ポイント -3.28%
10月末 5,929.68ポイント -0.40%
2025年 1-10月 - -9.18%
11月上旬 5,702.64ポイント -3.83%
(出所:PSE資料より作成、11月上旬とは10日まで)