新中期財政計画発表、27年国家予算6%増の7.2兆ペソ
財政赤字GDP比5.1%、30年に3.5%目標(コロナ前は2%台)
2026/07/09
7月8日に開催された政府の開発予算調整委員会(DBCC)第193回の会合において、GDP成長率目標やその前提に関する見直し(詳細は別掲)に加え、2030年までの中期財政計画に関する見直しも行われた。2027年度国家予算案を7兆2,000億ペソとする方針を示した。この予算案は2026年予算比6%増加、国内総生産(GDP)の21.7%に相当する
なお、DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。具体的な構成機関は予算管理省(DBM)、財務省(DOF)、国家経済開発庁(NEDA)、中央銀行(BSP)、大統領室(OP)である。
財政赤字対GDP比率上限目標については、2026年が5.3%から5.4%へと変更された。それ以降は、表1のとおり、2027年が5.1%(これまでの目標4.8%)、2027年が5.1%(同4.8%)、2028年が4.8%(同4.3%)へと変更されている。すなわち、財政改善ピッチは、これまでの想定より鈍化することになる。2029年は4.2%、2030年は3.5%と設定された。
なお、2025年の財政赤字は前年比4.7%増の1兆5,768億ペソであった。対GDP比率は5.6%で、前年の5.7%から僅かに低下したが、年央時点の改訂上限目標5.5%を上回ってしまった。新型コロナ対策費拠出で非常に高水準であった2020年の7.6%、2021年の8.6%からは低下傾向が続くが、2030年に至っても3.5%と設定されており、新型コロナ発生直前2019年の3.4%、それ以前の2%台には戻らないと想定されている。
政府歳入は2026年の4兆8,070億ペソから2027年に5兆2,055億ペソ、2030年には6兆5,199億ペソへ増加する見通し。GDP比では2026年の15.8%から2030年に15.6%となる。歳入増加を支えるのは、デジタルサービス付加価値税(VAT)法、企業向け税制優遇制度を見直したCREATE MORE法、資本市場効率化促進法、新たな鉱業財政制度などの税制改革の本格実施。税務行政の改善やデジタル化、徴税執行の強化も進める。
一方、2026年歳出は6兆4,659億ペソ、GDPの21.2%に達する見込み。2027年に6兆9,005億ペソ、2030年には7兆9,783億ペソへ拡大すると想定。2026~2030年の歳出規模は年平均でGDP比20.2%となる見通し。
政府は財政赤字を縮小する一方、人材育成など人的資本への投資を維持する方針。2027年度予算案では、重複する事業を整理し、公的資金の使用に関する透明性を高め、効率的で政策効果の高い支出を目指す。行政改革では、政府最適化プログラムの実施を加速するとともに、公務員などを対象とする業績連動型奨励制度を見直す。維持管理・その他運営費(MOOE)の効率化策も制度化し、不必要な経常支出を削減。浮いた財源を社会的弱者支援の事業に振り向ける。
DBCCは、世界経済を巡る不確実性が高まる中でも、財政規律、データに基づく政策運営、長期的な開発分野への継続投資によって外部リスクに対応すると強調した。今後も国内外の情勢を注視し、マクロ経済の安定と国民生活の保護、持続的な経済成長に必要な政策を機動的に講じる方針であると表明した。
2026-2030年の財政収支プログラム (単位:億ペソ、2026年7月8日設定)
(出所:フィリピン国家経済開発庁資料より作成)
過去のフィリピン財政赤字と対GDP比率推移 (単位:億ペソ)
(出所:フィリピン財務局資料より作成)
なお、DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。具体的な構成機関は予算管理省(DBM)、財務省(DOF)、国家経済開発庁(NEDA)、中央銀行(BSP)、大統領室(OP)である。
財政赤字対GDP比率上限目標については、2026年が5.3%から5.4%へと変更された。それ以降は、表1のとおり、2027年が5.1%(これまでの目標4.8%)、2027年が5.1%(同4.8%)、2028年が4.8%(同4.3%)へと変更されている。すなわち、財政改善ピッチは、これまでの想定より鈍化することになる。2029年は4.2%、2030年は3.5%と設定された。
なお、2025年の財政赤字は前年比4.7%増の1兆5,768億ペソであった。対GDP比率は5.6%で、前年の5.7%から僅かに低下したが、年央時点の改訂上限目標5.5%を上回ってしまった。新型コロナ対策費拠出で非常に高水準であった2020年の7.6%、2021年の8.6%からは低下傾向が続くが、2030年に至っても3.5%と設定されており、新型コロナ発生直前2019年の3.4%、それ以前の2%台には戻らないと想定されている。
政府歳入は2026年の4兆8,070億ペソから2027年に5兆2,055億ペソ、2030年には6兆5,199億ペソへ増加する見通し。GDP比では2026年の15.8%から2030年に15.6%となる。歳入増加を支えるのは、デジタルサービス付加価値税(VAT)法、企業向け税制優遇制度を見直したCREATE MORE法、資本市場効率化促進法、新たな鉱業財政制度などの税制改革の本格実施。税務行政の改善やデジタル化、徴税執行の強化も進める。
一方、2026年歳出は6兆4,659億ペソ、GDPの21.2%に達する見込み。2027年に6兆9,005億ペソ、2030年には7兆9,783億ペソへ拡大すると想定。2026~2030年の歳出規模は年平均でGDP比20.2%となる見通し。
政府は財政赤字を縮小する一方、人材育成など人的資本への投資を維持する方針。2027年度予算案では、重複する事業を整理し、公的資金の使用に関する透明性を高め、効率的で政策効果の高い支出を目指す。行政改革では、政府最適化プログラムの実施を加速するとともに、公務員などを対象とする業績連動型奨励制度を見直す。維持管理・その他運営費(MOOE)の効率化策も制度化し、不必要な経常支出を削減。浮いた財源を社会的弱者支援の事業に振り向ける。
DBCCは、世界経済を巡る不確実性が高まる中でも、財政規律、データに基づく政策運営、長期的な開発分野への継続投資によって外部リスクに対応すると強調した。今後も国内外の情勢を注視し、マクロ経済の安定と国民生活の保護、持続的な経済成長に必要な政策を機動的に講じる方針であると表明した。
2026-2030年の財政収支プログラム (単位:億ペソ、2026年7月8日設定)
| 項目/年 | 24年実績 | 25年実績 | 26年目標 | 27年目標 | 28年目標 | 29年目標 | 30年目標 |
| 歳入 | 44,190 | 44,534 | 48,070 | 52,055 | 55,244 | 59,935 | 65,199 |
| 対GDP比率 | 16.7% | 15.9% | 15.8% | 15.7% | 15.4% | 15.5% | 15.6% |
| 歳出 | 59,254 | 60,303 | 64,659 | 69,005 | 72,465 | 76,141 | 79,783 |
| 対GDP比率 | 22.4% | 21.5% | 21.2% | 20.8% | 20.2% | 19.7% | 19.1% |
| 財政赤字 | 15,064 | 15,768 | 16,589 | 16,949 | 17,221 | 16,206 | 14,584 |
| 対GDP比率 | 5.7% | 5.6% | 5.4% | 5.1% | 4.8% | 4.2% | 3.5% |
過去のフィリピン財政赤字と対GDP比率推移 (単位:億ペソ)
| 項目 | 年間実績推移 | ||||||||
| 年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年 | 24年 | 25年 |
| 財政赤字 | 3,506 | 5,583 | 6,602 | 13,714 | 16,701 | 16,141 | 15,121 | 15,064 | 15,768 |
| 対GDP比 | 2.1% | 3.1% | 3.4% | 7.6% | 8.6% | 7.3% | 6.2% | 5.7% | 5.6% |




