財閥系持株会社、9カ月間の業績総じて堅調

帰属純利益首位はSM、収入サンミゲル断トツ

2018/11/21

 フィリピン証券取引所(PSE)に上場されている財閥系持株会社の2018年9カ月(1月~9月)の決算が出揃った。
 
 フィリピン経済の好調を背景に、下表のとおり、財閥系持株会社の業績が総じて堅調に推移している。為替差損により減益となった企業もあるが、為替差損など一時的要因を除いた実質ベースでは二桁増益の企業が多い。帰属純利益が前年同期比(以下同様)5%減となったサンミゲルも一時時的差損益などを除いた経常的利益は20%増の524億ペソ、すなわち実質20%増益決算だったと発表している。
 
 9カ月間の帰属純利益ではヘンリー・シー氏傘下のSMインベストメンツが262億ペソで首位、第2位はアヤラコープの239億ペソであった。アヤラコープは継続的かつ安定的な業績向上ぶりが注目される。総純利益ではサンミゲルが419億ペソで首位、2位がSMインベストメンツの418億ペソであった。収入面では、電力や石油企業を傘下に収めているサンミゲルが7,612億ペソで断トツであった
 
 増益率が高かったのは、フィリピン第2位の富豪とされるルシオ・タン氏の事業を統括(フィリピン航空を除く)するLTグループ社(LTG)の84%増益であった。傘下のフィリピン・ナショナル・バンク(PNB)の純利益が67%増の75億ペソへと急増したこと、タバコ事業の値上げ効果などによる。
 
 一方、フィリピン第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)の帰属純利益が1%増と伸び悩んだのは、これまで非常に好調に推移してきたトヨタ・モーター・フィリピン(TMPC)の販売台数が税制価格の影響で18%減少という一時的要因によるものであり、全体的には堅調な業績推移であった。
 
 ゴコンウェイ財閥傘下の持株会社であるJGサミットが減益となったのは、格安航空会社(LCC)大手のセブ・パシフィック航空が原油価格に伴う燃料費高騰で36.5%減益となったことなどが響いた。
 
 なお、ユーチェンコ財閥傘下の持株会社であるハウス・オブ・インベストメント(HI、ユーチェンコ・ファミリー)の帰属純利益が9%増ながら10億ペソと低水準に見えるのは、リサール商業銀行(RCBC)など主力の金融事業が含まれていないことによる(各社の2018年第3四半期事業報告書などより)。
 
主要なフィリピン財閥系持株会社の2018年9カ月決算動向(単位:億ペソ)
企業名 財閥名・総帥など 収入 伸率 総純利益 伸び率 帰属純利益 伸び率
サンミゲル コファンコ 7,612 28% 419 1% 199 -5%
SMインベストメンツ SM 3,074 12% 418 12% 262 10%
アヤラコープ アヤラ 2,235 18% 408 7% 239 3%
JGサミット ゴコンウェイ 2,175 7% 216 -24% 148 -30%
GTキャピタル  メトロバンク 1,613 -5% 148 -9% 109 1%
アボイティス エクイティ アボイティス 1,353 21% 203 15% 173 9%
アライアンス グローバル アンドリュー・タン 1,080 12% 186 23% 121 18%
メトロパシフィック・インベストメンツ パンギリナン 613 42% 190 23% 125 12%
DMCIホールディングス コンスンヒ 603 7% 155 -8% 115 -2%
LTグループ ルシオ・タン 545 16% 160 80% 126 84%
フィルインベスト デベロップ ゴティアヌン 477 12% 105 46% 79 67%
ハウス オブ インベストメント ユーチェンコ 232 23% 12 12% 10 9%
(出所:各社の2013年第3四半期事業報告書などより作成)
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