株式:約2年半ぶりの安値に、世界連鎖株安でほぼ全面安

4月7日は261ポイント(4.29%)急落、外国人32億ペソ売り越し

2025/04/08

 2025年4月7日のフィリピン株式市場は大幅な続落となった。PSE株価指数(PSEi)は前営業日から261.34ポイント安、率にして4.29%下落の5,822.85ポイントで引けた。

 全体の売買代金は前営業日比13%増の132億3,300万ペソ(約337億円)、総取引回数は72%増の10万1,496回。値上がり32銘柄、値下がり201銘柄、変わらず33銘柄。外国人投資家は32億3,900万ペソの売り越しだった。

 引き続き、米国の相互関税発動による世界景気悪化懸念を背景にした世界連鎖株安のなかでほぼ全面安となった。終値ベースでは、2022年10月3日の5,783.15ポイント以来約2年半ぶりの安値へと急落した。6つの大分類セクター別指数は全て下落した。特に、第1四半期に21%上昇した鉱業・石油株(資源株)の利食い売りでの急落が目立った。鉱業・石油株指数は8.75%下落した。その他の指数も3%台~4%台の下落となった。

 PSEiは2025年第1四半期(1月~3月)では5.33%下落した。マルコス陣営とドゥテルテ陣営との対立激化、ドゥテルテ前大統領逮捕による政局混乱懸念、南シナ海での中国からの圧力、米国トランプ政策への懸念や利下げ遅延観測、フィリピンのGDP伸び悩み、外国人売り越しなどが響いた。

 4月に入ってからは米国の相互関税発動の動きで下落に拍車がかかり、PSEiの年初から4月7日までの下落率は10.81%に達している。4月7日の終値は2020年3月初旬の新型コロナパンデミック発生直前比では約1,000ポイントも低い水準である。すなわち、新型コロナパンデミック前の水準にはほど遠い低水準での展開となっている。

 2025年4月7日の株式市場概要
指 数 始 値 高 値 安 値 終 値 前営業日比
PSE株価指数 5,900.19 5,900.19 5,804.56 5,822.85 -261.34
 
出来高(百万株) 1,356 -21% 値上がり銘柄 32 外国人買付額(百万ペソ) 6,012
売買代金(百万ペソ) 13,233 13% 値下がり銘柄 201 外国人売却額(百万ペソ) 9,251
総取引回数 101,496 72% 変わらず銘柄 33 外国人買越額(百万ペソ) -3,239
(出所:PSE取引記録より、パーセント表示は前の営業日からの伸び率)

   PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
2020年 7,139.71ポイント -8.64%
2021年 7,122.63ポイント -0.24%
2022年 6,566.39ポイント -7.81%
2023年 6,450.04ポイント -1.77%
2024年 6,528.79ポイント 1.22%
2025年 1月末 5,862.59ポイント -10.20%
2月末 5,997.97ポイント 2.31%
3月末 6,180.72ポイント 3.05%
2025年 1-3月 - -5.33%
(出所:PSE資料より作成)