セブ航空の乗客数、今年1900万人で連続最高記録へ

2016/12/05

今年3月に創業20周年、75周年のフィリピン航空を凌ぐ
ホノルルやメルボルン含む遠距離線の拡充目指す


 フィリピン最大の格安航空会社(LCC)セブ・パシフィック航空(CEB)は、今年3月8日に創業20周年を迎えた。ちなみに、アジアで最も歴史のあるフィリピン航空(PAL)は今年3月15日に創業75周年を迎えている。

 CEBは1996年3月8日にセブ⇔ダバオ毎日便を就航し、航空市場に参 入した。その後、積極的な路線拡大、新鋭機導入、斬新なアイデア(飛行前の客室乗務員のダンスによる安全講習など)といったことにより急成長を続け、現在 乗客数ではフィリピン航空(PAL)を抜き、フィリピン最大規模の航空会社(単独ベース)となっている。CEBの乗客数は順調に増加を続け、2015年1月8日には、創業以来の累計乗客数が1億人を突破した。

 既報のとおり、
2016年10カ月間の乗客数(完全子会社タイガーエア・フィリピンズも含む)は、前年同期比5.1%増の1,599万6,153人、客席数(収容能力)は0.1%増の1,861万7,921席、稼働率は85.9%で、前年同期の81.8%を4.1%ポイント上回った。現在の保有機体数は57機である。

 2015年は年間で前年比8.9%増の1,838万人、連続過去最高更新となった。2016年も10カ月間で前年同期比5.1%増の約1,600万人に達しており、2016年年間では前年比3.4%増の1,900万人に達する見込みであり、連続最高記録更新を続けることになりそうである。

 
米国連邦航空局(USFAA)が、2014年4月に、フィリピンの航空業界安全格付けを最上級である『カテゴ リー1』へと復帰させた。これにより、それまで禁止されていたフィリピン航空各社の米国線の増便、米国新路線開設などが可能となった。これを受けて、CEBも米国線の運航を開始した。
 
 まず、2016年3月15日に、初の米国便となるマニラ⇔グアム線を就航した。CEBは「基本的には既にグアム、サイパン、ホノルル、サンフランシスコ、ロスアンゼルス線就航が可能となっている」と発表しており、グアム線以外の米国線就航を視野に入れている。特に、ホノルルに関しては早期就航を目指している。米国線以外でも、豪州メルボルン線就航を目指しているとのことである。

 なお、CEBは、2010年10月26日にはフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。PSE取引コードはCEBである。
 

   セブ・パシフィック航空の乗客数などの推移
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 15年/14年伸率
客席数(万席) 1,383 1,604 1,752 2,011 2,225 10.6%
乗客数(万人) 1,193 1,326 1,435 1,687 1,838 8.9%
客席稼働率 86.3% 82.6% 81.9% 83.9% 82.6% -1.3pts
   (出所:セブ・パシフィック航空の統計より作成)