10月の失業率4.7%、11年半ぶりの低水準に

2016/12/14

サンボアンガ半島2.6%、西ビサヤ2.9%等良好
最悪はカラバルソン6.2%、首都圏5.9%で続く



フィリピン統計庁(PSA)が12月13日発表した2016年10月の雇用統計速報値によると、10月の失業率は4.7%となり前年同月の5.6%から0.9%ポイント改善した。そして、2005年4月以来、11年半ぶりの低水準となった。

 15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)は6,873万4千人で、労働力参加率は63.6%。就業者数は4,166万4千人で、就業率(雇用率)95.3%、失業者数は204万人であった。

 就業者4,166万4千人のうち、農業部門が27.9%、鉱工業部門が17.2%、サービス部門が54.9%を占める。就業形態は、賃金労働者が労働者 全体の60.8%、そのうち民間企業労働者は47.8%を占めた。自営・事業主は30.6%(有給従業員のない自営業27.5%、事業主3.1%)、無給 家内労働者が8.6%であった。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.9%であった。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は750万8千人(不完全就業率は18.0%)。
 
 失業者数204万人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は47.6%で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が30.1%、35歳~44 歳が10.6%となっている。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は34.3%(卒業者は20.5%)、高校進学・卒業者は8.7%(卒業者 は7.8%)。中学校進学・卒業者は43.5%(卒業者は32.9%)。性別では男性64.4%、女性35.6%。

 地域別で失業率が最も高いのはカラバルソン地域(6.2%)、次いで、首都圏(5.9%)。中央ルソン地域(5.7%)。一方、失業率が最も低かったの は、サンボアンガ半島地域(2.6%)、次いで西ビサヤ地域(2.9%)。

 当地では、雇用統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表される。10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。 一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加する ことで失業率が一般的に上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較が重要である(16年12 月13日のフィリピン統計庁発表などより)。



フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)
項目 新基準の失業率など
年月 16年10月 15年10月
15歳以上人口 68,734 66,622
労働力参加率 63.6% 63.3%
就業率 95.3% 94.4%
失業率 4.7% 5.6%
不完全就業率 18.0% 17.6%
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、16年10月は速報値)


16年10月の地域別就業率・失業率の比較(単位:千人、%)
地域 15歳以上人口 労働力参加率 就業率 失業率 不完全就業率
首都圏 8,960 63.0 94.1 5.9 7.4
コルディリェラ行政地域 1,220 65.3 95.4 4.6 18.6
1-イロコス 3,427 61.2 94.6 5.4 16.9
2-カガヤンバレー 2,353 66.4 97.0 3.0 14.9
3-中央ルソン 7,647 61.9 94.3 5.7 19.6
4A-カラバルソン 9,625 64.3 93.8 6.2 15.7
4B-ミマロパ 2,006 65.8 95.8 4.2 17.0
5-ビコール 3,908 62.2 95.7 4.3 30.1
6-西ビサヤ 3,133 63.0 97.1 2.9 22.8
7-中央ビサヤ 4,135 68.0 94.9 5.1 16.1
8-東ビサヤ 3,020 60.5 97.0 3.0 31.4
9-サンボアンガ半島 2,506 65.8 97.4 2.6 28.4
10-北ミンダナオ 3,194 67.2 95.9 4.1 26.9
11-ダバオ地域 3,385 62.0 96.4 3.6 14.7
12-ソックサルジェン 3,032 64.6 96.7 3.3 20.6
カラガ 1,802 62.9 96.4 3.6 22.4
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 2,278 55.1 96.3 3.7 13.3
ネグロス島地域 3,105 66.8 96.0 4.0 9.1
フィリピン全体 68,734 63.6 95.3 4.7 18.0
 (出所:フィリピン統計庁資料より作成、速報値、レイテ州含む)