10カ月間のOFW送金、3.9%増の244億ドル

2016/12/16

銀行経由分は4%増の221億ドル、10月は3%減
日本からは7.6%増の11億2千万ドルで6位に



フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2016年10月のOFWからの銀行経由による本国現金送金額は20億9,900万米ドルで、前年同月(21億6,400万米ドル)から3.0%減少した。

 また、16年年初10カ月間(1月~10月)の累計は前年同期比4.0%増の221億2,400万米ドルであった。そのうち、陸上ベースのOFWからの 送金額は6.3%増の174億7,800万米ドル、海上ベースのOFWからは3.7%減の46億4,600万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比3.5%増の73億2,400万米ドル(シェア33.1%)、2位サウジアラビアの8.6%減の 21億5,900万米ドル(9.8%)、3位アラブ首長国連邦(UAE)の4.8%増の17億5,500万米ドル(7.9%)、4位シンガポールの 12.3%増の13億8,700万米ドル(6.3%)、5位英国の8.1%減の11億6,400万米ドル(5.3%)、6位日本の7.6%増の11億 2,000万米ドル(5.1%)、7位カタールの52.3%増の8億5,100万米ドル(3.8%)、8位クウェートの50.2%増の7億1,900万米 ドル(3.2%)、9位香港の15.1%減の6億4,000万米ドル(2.9%)、10位ドイツの4.7%増の5億9,300万米ドル(2.7%)など。


OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
項目 年間推移 1 - 10月
10年 11年 12年 13年 14年 15年 15年 16年 伸び率
送金額 18,763 20,117 21,391 22,984 24,628 25,607 21,266 22,124 4.0
日本から 883 914 1,010 904 976 1,313 1,040 1,120 7.6
(参考:10月の日本からのOFW送金額は前月比5.1%減の1億1,200万米ドル)

月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
15年 16年
10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
送金額 2,164 1,871 2,470 1,997 2,098 2,362 2,213 2,188 2,334 2,131 2,319 2,383 2,099
対前年同月伸率 -4.2 -6.2 4.9 3.6 8.4 -1.4 6.9 5.8 4.8 -5.4 16.3 6.7 -3.0
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)
*注:16年は速報値


 また、国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国 時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、10月の包括的OFW送金額は前年同月比2.8%減の23億2,600万米ドルと減少したが、10カ月間累計 では前年同期比3.9%増の244億3,400万米ドルと増加した。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回ってい る。

 テタンコBSP総裁は、熟練OFWに対する根強い需要に加え、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大や送金市場における金融商品の革新 等が送金流入の増加に寄与していると説明した(16年12月15日のフィリピン中央銀行発表などより)。



包括的OFW送金額(単位:百万米ドル、伸び率:%)
項目 年間推移 1-10月
10年 11年 12年 13年 14年 15年 15年 16年 伸び率
送金額 20,563 21,922 23,352 25,369 27,273 28,483 23,514 24,434 3.9


月別包括的OFW送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
15年 16年
10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
送金額 2,392 2,068 2,726 2,208 2,320 2,606 2,443 2,416 2,575 2,355 2,559 2,626 2,326
対前年同月伸率 -4.1 -6.2 4.9 3.4 8.3 -1.4 6.6 5.7 4.8 -5.4 16.0 6.3 -2.8
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)
*注:16年は速報値