2017年の住宅不動産市況は調整へ
オフィス市況は続伸:コリアーズ予想

2016/12/29

 国際的な総合不動産コンサルティング企業であるコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)は、このほど、2017年10大予想を発表した。


 そのなかで、コリアーズは、2017年は米国の追加利上げや各国の追随値上げなどで、不動産市場を取り巻く環境はやや厳しくなると概括している。そして、これまで大幅上昇を続けてきた住宅不動産市況は調整局面に入ると予想している。既にコリアーズは、2016年11月に2016年第3四半期の総括と1年間の見通しを発表、下表のとおり、マニラ首都圏の住宅不動産市況は1年間で5%前後下落するとの見通しを述べている。

 一方、オフィス不動産市況に関しては、フィリピン人に適したコールセンターやBPO関連企業の進出ブームが続きそうであり、それらを背景に、オフィス賃貸料やオフィス資産価値は一段と上昇すると見込んでいる。下表の様に、マカティ市の高級オフィスの賃貸料、資産価値ともに、1年間で8%強値上がりするであろうとの予想を発表済みである。

 首都圏高級3ベッドルーム(BR)平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/ �u)
地区 16年2Q 16年3Q 対前期伸び率 17年3Q(予) 年間変化率予想
マカティCBD 580-1,130 570-1,110 -1.3% 540-1,050 -5.4%
ロックウェル 800-1,100 790-1,080 -1.3% 750-1,030 -4.9%
BGC 660-1,050 655-1,040 -1.5% 610-980 -5.8%


 首都圏高級3BR住宅資本価値(単位:万ペソ/ �u) 
地区 16年2Q 16年3Q 対前期伸び率 17年3Q(予) 年間変化率予想
マカティCBD 10.4-19.1万 10.3-19.0万 -0.7% 9.8-18.0万 -5.3%
ロックウェル 12.0-20.0万 11.9-19.8万 -1.1% 11.3-18.8万 -4.8%
BGC 11.2-18.1万 11.0-17.8万 -1.8% 10.3-16.7万 -5.8%


 マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/平米)
物件タイプ 16年2Q 16年3Q 対前期伸び率 17年3Q(予) 年間変化率予想
プレミアム 1,130-1,440 1,200-1,500 1.0% 1,240-1,580 8.4%
Aクラス 720-1,110 700-1,300 1.5% 780-1,190 6.1%
Bクラス 590-840 610-860 2.0% 650-920 7.4%
 (注:正味使用可能面積に基づいて算出)

 マカティCBDオフィス資本価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/�u )
物件タイプ 16年2Q 16年3Q 対前期伸び率 17年3Q(予想) 年間変化率予想
プレミアム 16.5-19.3万 16.9-19.7万 2.2% 18.3-21.3万 8.2%
Aクラス 9.8-13.9万 10.0-14.3万 2.9% 10.9-15.5万 8.2%
Bクラス 7.1-10.3万 7.3-10.7万 3.3% 7.7-11.3万 5.7%
 (上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)