ミニストップとファミマ、16年は各々約20店の減少
首位セブン・イレブン順調、9カ月間だけで238店増加

2017/01/12

 フィリピンでもコンビニエンス・ストアが普及期を迎え、マニラ首都圏中心に競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセ ブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、 2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。 

 2013年4月にフィリピンに進出したファミリーマートの店舗網が2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台に到達した。 ただし、業界の競争激化や出店政策の見直しなどがあるせいか、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化、2016年は純減となった。2016年12月末の店舗数は99店(日本側発表数字、以下同様)となった。前月(11月)末からは1店の増加となったが、100店の大台を割り込んだままとなっている。ピークの2015年末の120店からは21店の減少となっている。コンビニ業界の競争が激化していることにくわえ、フィリピン側のパートナーであるSSIグループの「店舗合理化プログラム」実施が影響している
。2017年は店舗数再増加を計画している。

フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値)
2015年 16年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
店数 87 91 95 97 101 105 109 114 113 114 117 120 111 108 104 104 103 102 101 101 101 101 98 99
(出所:株式会社ファミリーマート資料より作成)

 また、ミニストップの2016年12月末の店舗数は499店で、11月末の500店から更に1店減少、500店の大台を割り込んでしまった。2015年末の519店からは20店の減少、すなわち、1年間で20店の純減となっている。
 

フィリピンのミニストップ店舗数推移(月末値)
2015年 2016年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
店舗 455 465 473 484 490 495 502 507 511 513 519 519 521 518 518 516 516 513 513 508 501 501 500 499
(出所:株式会社ミニストップ資料より作成)

 一方、首位のセブン・イレブンの店舗数は順調に増加している。フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年9月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年9月末の店舗数(10月末以降の数値は未公表)は1,840店に達し、ミニストップの501店、ファミリーマートの101店に大差をつけている。年初9カ月間では238店の純増であり、約20店の純減であったミニストップやファミリーマートとの差を拡大させている。
 

フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(月末値)
年・月 12年 13年 14年 2015年 2016年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,341 1,405 1,480 1,602 1,655 1,740 1,840 N.A.
ミニストップ 337 386 454 472 495 511 519 518 513 501 499
ファミリーマート 0 31 87 95 105 113 120 104 102 101 99
 (出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値)
 注:比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストア傘下