旅行業界最大手の株式会社ジェイティービー(JTB、本社:東京都品川区)が、フィリピンでの事業基盤や業容を急ピッチで拡充させつつある。
2015年、JTBはアジア事業強化の一環として子会社をフィリピンに設立、2015年4月に営業を開始した。フィ リピン子会社の名称はJTB ASIA PACIFIC PHIL.CORP.(JTBフィリピン、代表者:岡川知行取締役社長兼マニラ支店長)、 所在地はマニラ首都圏タギグ市ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)ボニファシオ・サウスの RCBCセービングバンク・コーポレートセンター18階である。現在、陣容が拡大しているため2階にもスペースを広げている。
事業内容はアウトバウンド事業(フィリピン発の海外旅行の手配)、インバウンド事業(フィリピン訪問旅行者の旅行手配及び斡旋業務)、MICE事業(周年行事・開設式典・表彰イベント・国際会議・視察・報奨旅行・展示会等の企画運営手配)などである。MICE事業では、進出日系企業等の開設式典や周年行事の多数受注などの実績を積んでいる
2016年前半には、セブ等ビサヤ地方での事業強化などを目的に、セブ・マクタン島にセブ営業所を設立した。セブ営業所は、著名リゾートホテル「プランテーションベイ・リゾート&スパ」(マクタン島マリゴンドン、Tel. + 63 32 505 9800)内に立地している。
JTBフィリピンは、さらなる営業基盤拡充の一環として、2016年8月13日、ショッピングモール「SMモール・オブ・アジア(MOA )」北館2階に「SM MOA TRAVEL SALOON」を出店した。MOAはマニラ首都圏パサイ市に立地するアジア有数の巨大ショッピング・モールであり、強大な集客力を誇り、著名観光地とも言える存在である。ユニクロや無印良品なども出店している。
JTBフィリピンの現在の主力営業拠点は、上記のボニファシオ・サウスの RCBCセービングバンク・コーポレートセンター18階に立地するいわゆる空中店舗である。MOA店舗は、常に多数のモール来場者と接触できる地上型店舗である。このMOA店舗で旅行の魅力をアピールすることなどで実績を積み、複数出店を目指している。
さらに、セブでの営業強化を目的に、セブ本島のセブ市もしくはマンダウエ市に営業拠点を構築、4月ごろから法人営業を開始する方針である。上記のセマクタン島の営業所の業務は、日本からの旅行者への対応(フィリピンから見たインバウンド)が中心であるが、セブ本島での新営業所は、法人需要開拓、訪日旅行(アウトバウンド)開拓などに注力する。
JTBグループは、アジア市場における圧倒的No.1ポジションを確立し、長期的・安定的なグループの成長を目指す「2020年ビジョン」の達成に向け、中期経営計画「“Perfectmoments, always” Road to Global Vision 2020」を推進している。なかでも「訪日インバウンド」を重点推進テーマの一つと位置づけ、JTBグループ内の各種リソースを「訪日インバウンドビジネス推進部」へ集中させることにより、訪日事業に関する各種ビジネスの構築を加速させていく。セブ本島の新営業所もその役割を担うといえる。