樹脂成型加工の長津製作所、フィリピン進出
比三洋プラスチック(SPPI)と合弁事業
海外生産での中国一極集中から脱却

2017/01/20

  プラスチック用精密金型の設計・製造やプラスチック成形加工などを手掛ける長津製作所(本社:東京都品川区、本社工場:神奈川県川崎市)がフィリピンに進出した。

、長津製作所は昨年、三洋プラスチック工業(本社:東京都大田区)の100%子会社である三洋プラスチック フィリピン.(SPPI、所在地:ラグナ州ラグナテクノパーク)と合弁企業「Nagatsu- Sanpla Precision Mold Phils., Inc.(NSPMI)」を設立した。

 NSPMIは、ラグナ州サンタ・ロサ市の「スターツ・レンタル・ファクトリー」に入居、SPPIの20年超に及ぶフィリピン事業経験やノウハウなどを活用しながら、プラスチック関連事業を展開する。
 
 「スターツ・レンタル・ファクトリー」は、スターツコーポレーション(スターツ、本社:東京都中央区日本橋)が出資する現地法人スターツ・ファシリティー・フィリピン(SFP)が、PEZA工業団地「グリーンフィールド・オートパーク」内にて、2016年12月に開設したもので、敷地面積が約1ha、建築面積は約8,000平米である。

 1956年設立の長津製作所は、プラスチック金型製造に輝かしい実績と長い歴史を有するリーディングメーカーである。現在、川崎市の本社工場や新潟工場など日本国内拠点のほか、中国広東省に深セン工場(長津金安精密注塑有限公司、従業員400名)と江蘇省に無錫工場(長津貿易(無錫)有限公司・長津金安精密光學部件(無錫)有限公司、従業員80名)を有している。

 このように、長津製作所は中国で強固な生産体制を構築している。ただ、海外生産の中国一極集中という問題があったが、今回のフィリピン進出で中国以外にも生産拠点が構築されたことになる。