比ヤクルト2016年も好調続く、販売14.5%増加
主要国市場で第2位の伸び率、1日約245万本

2017/02/01

  このところのフィリピンでのヤクルト販売数量が好調で、主要市場でトップクラスの伸び率を記録してきている。2016年(1月~12月)もその勢いが続いた。

 ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。ミャンマーでも2018年春ごろから生産が開始される予定である
 
 フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、創業38周年を迎えたのである。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
  
 2016年の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比14.5%増の244万9千本へと増加率を高めている。この販売数量は、海外市場では中国の582万5千本、インドネシアの505万1千本、韓国の360万4千本、メキシコの356万本に次ぐ世界第5位で、タイの218万3千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは11.3%、全海外市場でのシェアは8.7%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同7.5%増の2,164万2千本、海外全体では同5.7%増の2,800万4千本であった。 
 2016年のフィリピンの前年同期比14.5%増という伸び率は、世界で最高の伸びであったインドネシアの16.5%増に次ぐ2位であった。そして、フィリピンでは、需要が非常に好調であり、生産能力増強を図りつつあるが、現時点では需要拡大ピッチに追い付かない状況であり、一部出荷制限を行わなければならない状況である。このような供給面での制約がなければ、販売伸び率はさらに高くなっているものと考えられる。いずれにしても、世界でトップクラスの販売伸び率を継続している。

 ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2015年末の従業員数は1,209人、ヤクルト・レディーは2,869人、取引店は18万2,873店に達している。工場はカランバ市に立地している。

 

 ヤクルト2016年年間の海外乳製品売上数量(1日当たり本数:速報値)
国名 連結区分 速報値
販売実績(千本/日) 前年比(%)
フィリピン 持分法 2,449 114.5
台湾 持分法 801 98.3
香港 連結 549 90.8
タイ 持分法 2,183 102.6
韓国 持分法 3,604 97.2
シンガポール 連結 242 96.8
インドネシア 連結 5,051 116.5
オーストラリア 連結 237 102.1
マレーシア 連結 329 108.1
ベトナム 連結 215 110.7
インド 連結 157 108.6
中国 連結 5,825 110.2
 
アジア・オセアニア計
  (連 結 合 計)
  21,642
12,605
107.5
111.0
 
ブラジル 連結 1,936 95.3
メキシコ 連結 3,560 101.8
米国 連結 256 112.1
 
米州計   5,751 99.9
 
ヨーロッパ計   611 104.4
 
   合        計
   (連 結 合 計)
  28,004
18,967
105.7
107.2
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)

 なお、ヤクルト本社は、2017年上半期に中東地域において、中東ヤクルト株式会社により乳酸菌飲料「ヤクルト」の販売を開始する。
中東地域では、高い経済成長と共に健康に対する意識も高まっている。ヤクルト本社は2015年に、アラブ首長国連邦(UAE)に中東ヤクルト株式会社を設立し、同地域での販売開始に向けて準備をしてきた。乳製品が広く浸透している中東地域の市場において、早急な「ヤクルト」の販売基盤の確立とヤクルトブランドの浸透を目指す。中東地域で販売する「ヤクルト」は、他国からの輸入で供給する(17年1月31日の株式会社ヤクルト本社発表などより)。