ミニストップとファミリーマート、1月も店舗数減少
競争や交通渋滞激化影響か、首位セブン独走

2017/02/13

 フィリピンのコンビニエンス・ストア業界もマニラ首都圏中心に競争が激化しつつある。また、年々交通渋滞が酷くなり、配送に支障をきたすようになっており、店舗網拡大のネックとなっているようだ。

 現在は、業界断トツのセブン・イレブンをミニストップなどが追いかけようとする構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、 2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。 2015年央ごろまでは、各チェーンとも店舗網を順調に拡大させてきたが、2016年は、店舗数を減らすチェーンも見られた。
 
 2013年4月にフィリピンに進出したファミリーマートの店舗網は2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台に到達した。しかし、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化、2016年は純減となった。2016年12月末の店舗数は99店(日本側発表数字、以下同様)で、2015年末の120店(直近のピーク)からは21店の減少となっている。
 2017年1月末の店舗数は98店で、前月末から1店減少、前年同月末比では、13店、率にして12%の減少となっている。コンビニ業界の競争が激化していることにくわえ、フィリピン側のパートナーであるSSIグループの「店舗合理化プログラム」実施が影響している
。2017年年間では店舗数再増加を計画している。

 フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値)
15年 16年 17年
時期 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
店数 101 105 109 114 113 114 117 120 111 108 104 104 103 102 101 101 101 101 98 99 98
(出所:株式会社ファミリーマート資料より作成)

 また、ミニストップの2016年12月末の店舗数は499店で、11月末の500店から更に1店減少、500店の大台を割り込んでしまった。2015年末の519店からは20店の減少、すなわち、1年間で20店の純減となった。2017年1月末の店舗数は493店で前月末から6店減少した。1カ月間としてはかなりの減少となった。前年同月末の521店(直近のピーク)からは28店、率にして5%の減少となっている。

 フィリピンのミニストップ店舗数推移(月末値)
15年 16年 17年
時期 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
店舗 490 495 502 507 511 513 519 519 521 518 518 516 516 513 513 508 501 501 500 499 493
(出所:株式会社ミニストップ資料より作成)

 一方、首位のセブン・イレブンの店舗数は順調に増加しているようだ。フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年9月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年9月末の店舗数(10月末以降の数値は未公表)は1,840店に達し、その時のミニストップの501店、ファミリーマートの101店に大差をつけている。年初9カ月間では238店の純増であり、約20店の純減であったミニストップやファミリーマートとの差を拡大させている。それ以降のデータは現時点では公表されていないが、独走という感がある。
 

 フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(月末値)
年・月 12年 13年 14年 15年 16年 17年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 1月
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,341 1,405 1,480 1,602 1,655 1,740 1,840 N.A. N.A.
ミニストップ 337 386 454 472 495 511 519 518 513 501 499 493
ファミリーマート 0 31 87 95 105 113 120 104 102 101 99 98
 (出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値)
 注:比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストア傘下