比の奇跡の植物「モリンガ」普及で日系3社提携

2017/02/24

 日本の食品業界などが、「奇跡の木」、「生命の木」などと呼ばれている薬用植物モリンガ(フィリピン名:マルンガイ、日本名:西洋わさびの木)に注目している。

 モリンガは、亜熱帯地方に自生し300種もの薬効効果と水と空気を浄化する驚きの植物である。葉にホウレンソウの4倍近いビタミンCを含み、鉄分、カルシウム、タンパク質も豊富。葉や新芽、花や実も食べられムダのない万能植物である。そしてデトックッス(体内の浄化作用)効果も発揮する。また、二酸化炭素を他の植物の約20倍も吸収し地球温暖化防止にも効果を奏し、水の浄化作用や地中にある汚染物質なども吸収し浄化する事も分かってきた。

 若い鞘(実)は、調理用材料や保存食にもなる。蚊に刺されたり、小さな毒蛇に咬まれたりした場合に、若い鞘を折って汁を着けると直ぐに治るとのこと。鞘の中の豆の約40%はオイル(ベン油)で抗酸化作用の高い高級な油が採れる。ローション・香水の吸着剤・高級石鹸の原料、種子の殺菌作用により口臭予防にも使われる。豆から油を絞った搾りかすは、水の浄化、飼料や肥料に使われるほか、樹皮は丈夫な繊維質でロープの材料や絨毯の材料となる。根はインドでのカレーの香辛料として有名である。このような有用植物であることから、天然栄養添加物だけでなく、様々な新たな用途が開けそうであり、注目度が高まっている。

 植物オイル等の輸入販売を行う日東物産商事(横浜市)、フィリピンでのフェアトレード事業を行うGirls, be ambitious(福岡市)、自然素材を使った化粧品製造販売を行うSavon de Siesta(札幌市)の3社は、フィリピンのイロコス・ノルテ州で生産されるイロコスモリンガ(イロコスモリンガ協会認証)の原料および製品の日本国内での普及と、フェアトレードによる社会貢献活動のプロジェクト推進に関して、2017年2月14日に業務提携を行い、イロコスモリンガ協会日本支部設立委員会(仮称)を立ち上げた。

 上記の様に、モリンガは化粧品や食品原料として世界的に注目されており、近年、日本国内でも人気の素材となりつつある。栄養素も豊富に含まれ、化粧品原料やスーパーフード(健康食品)として有用であることに加え、樹木としてのモリンガは二酸化炭素吸収力が非常に高い植物として環境保全の観点からも注目されている。その中でも、イロコスモリンガは、遺伝子組み換えでない在来種を無農薬栽培したフェアトレードのモリンガとしては世界唯一で、良質な素材を日本の技術で磨き上げた、世界最高水準の品質を誇っている。

 3社は、このイロコスモリンガの原料の日本国内での販売、商品企画・開発・製造販売、認証制度の管理運営、フェアトレードの推進に関して相互協力し、事業の収益の一部を、原料産地の植樹活動や雇用創出、女性の社会進出、子供の教育活動等に充てていくことを計画している。本活動の啓蒙のために2017年2月1日にオープンしたWEBサイトにて、3月以降に賛同会員の募集を行って行く予定である。また、近日中にも新製品の発表を予定している。

 このプロジェクトは、NPOや行政を介さずに民間企業のみで行う日本とフィリピンの社会貢献事業となる。こうした民間主導のフェアトレード活動の普及によって、原料産地、流通・加工・販売業者、消費者がともに適切な利益を享受できる理想的な事業を創出し、このモデルを業界、国境を越えて普及させていくことが、イロコスモリンガ協会日本支部設立委員会(仮称)の設立趣旨であり、活動理念とのことである。

【提携する3社の特徴について】
 横浜市の日東物産商事は戦前から始まった化粧品や食品等の原料の商社で、今回は世界最高品質の原料(モリンガ)の生産から日本国内外への流通、精製、販売、商標等の管理をコーディネートしている。

 福岡市のGirls, be ambitiousは、モリンガの産地であるフィリピンでのフェアトレード活動について貢献をしてきた。日本とフィリピンとの文化的な相違点をよく理解し、一方的に経済的な支援を行うということではなく、双方がともに学び成長し合う関係構築と活動実績があある。

 札幌市のSAVON de SIESTAは、自然素材を使った化粧品メーカーとして11年余りの実績を持ち、その商品力は札幌市にも『札幌スタイル』認証製品として認められ、その中でもNO.1の販売実績を誇りる。直営店、オンラインショップ、卸販売、他社製品のOEM生産などの多様な販路を持ち、全国に1万以上の優良なリピートユーザーがいる。また、同社の経営者は、札幌円山動物園オフィシャルグッズとしての保冷ランチボックス『GEL-COOま』で、絶滅危惧種となっているホッキョクグマの繁殖支援のために1000万円を超える寄付実績を誇る事業を創出した経験者でもある。
 
 この3社がイロコスモリンガ協会の活動趣旨に賛同し、国際的にもインパクトのある事業を創出することを目指す(17年2月23日のGirls, be ambitiousプレスリリースなどより)。