最大銀行BDO、純利益4%増の261億ペソ
最高益更新続く、国内店舗1,100超に

2017/02/27

 当地の最大銀行(総資産、融資残高、受け入れ預金残高ベース)であるBDOユニバンク(BDO)は、2月24日、2016年(1月~12月)の決算速報を発表した。

 それによると、2016年の本業の融資業務による純金利収入が前年比15%増の656億ペソと好調、非金利収入は同30%増の416億ペソへと大幅増加した。そのうち、手数料収入は同15%増の222億ペソであった。これらの結果、営業収入は同21%増の1.072億ペソに達した。

 一方、営業費用は、買収したワンネットワーク バンク(ONB)やBDOライフ・インシュアランスの統合費用などもあって、同27%増の701億ペソに達した。この一時的な統合費用を除くと同11%増である。営業費用の大幅増加や税負担増加などにより、帰属純利益は同4%増と一桁増加にとどまったものの、261億ペソに達し、連続最高益更新を継続した。


 2015年7月にワンネットワーク銀行(ONB)を買収したことなどでBDOのトップの座は一段と強固になっている。2016年末の融資残高は前年末比16%増の1兆5千億ペソ、受け入れ預金残高は同15%増の1兆9千億ペソへと二桁増加した。財務体質の改善も進んでおり、不良債権(NPL)比率は1.3%と安定、不良債権貸倒引当率は139%に達している。また、バーゼル�V基準による自己資本比率(CAR)は12.4%、普通株中核自己資本(CET1)比率は10.7%で、中央銀行の各々の最低基準である10%、8.5%をかなり上回っている。

 なお、2017年1月には600億ペソの株主割当増資を実施した。600億ペソという増資は、フィリピン株式市場における史上最大の調達案件となった。この株主割当増資は、2017年1月10日時点の株主に対し新株が割当てられた。割当率約19.6%で、既存株式約5.095株に対して新株1株が割り当てられた。これにより、新株が約7億1,640万株発行された。1株当たり割当価格は83.75ペソであった。この株主割当増資完了時点での自己資本比率(CAR)は15.7%に達したと試算される。

 BDOの本店所在地はマニラ首都圏 マカティ市。フィリピン全土に1,100店以上の店舗、3,600台以上のATMを有している。 海外には、香港支店を含む26拠点を有している。また、ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や有力地方銀行との提携を進めてきている(17年2月24日のフィリピン証券取引所回覧01048-2017号などより)。