本日は国際女性デー、比女性経営幹部比率は世界3位

40%と高水準、日本7%で最低:太陽ASG中堅企業調査
男女平等度調査でもアジア断トツ、世界ベスト10常連

2017/03/08

  3月8日は「国際女性デー」である。有力会計・監査グループである太陽ASGグループ(グラント・ソントン加盟事務所)は、3月7日、「国際女性デー」に先立ち、2017年「中堅企業経営者意識調査」『女性経営幹部』に関する世界36カ国調査結果を発表した。

 この調査において、世界36カ国の中堅企業経営者に、「自社の経営幹部の女性比率」について尋ねたところ、全調査対象国の平均は25%と前回調査よりわずかながら改善し、経営幹部における女性比率の平均が約4分の1であることが判明した。全対象国の平均は過去13年間の全調査期間(全10回の調査)の中で、今回の結果が最高の比率となったものの、調査を開始した2004年以降の改善のペースは非常に緩やかで、経営幹部への女性参加があまり進んでいないことが明らかとなった

 <日本の中堅企業「経営幹部の女性比率」は7%で過去10回の調査全てで最下位>
 日本の中堅企業における「経営幹部の女性比率」は7%で前回2016年調査と変わらず、調査対象国中唯一の1桁の数字となった。また、2004年の調査開始以降、日本は10回連続での最下位となった。調査を開始した2004年の女性比率が今回とほぼ同じ8%であることから、日本の中堅企業においては女性の経営参加の点でほとんど改善が進んでおらず、世界から大きく遅れをとっていることが明らかになった。さらに経営幹部に一人も女性がいない日本の中堅企業は67%に達し、前回の調査結果(73%)と比べると改善は見られるものの、全調査対象国の中で最も多い結果となった。

<フィリピン40%でアジア2位、世界3位。インドネシア46%へ急上昇しアジア2位に>
 国別に見ると 「経営幹部の女性比率」が今回最も高かったのはロシア(47%)で、2位はインドネシア(46%)。そして、 フィリピン、エストニア、ポーランド(共に40%)が続く。その他、主要国では中国が31%(前回調査30%)、米国が23% (同23%)、英国が19% (同21%)などなり、前回調査からの大きな変動はなかった。前回調査との比較で、最も大きく改善したのはインドネシアで46%(前回調査36%)、逆にもっとも大きく低下したのはギリシャの20%(同27%)であった。また地域別に見るとEUの平均は26%となり2016年の調査結果(24%)と比較すると、小幅ながら改善が見られた。 同様にASEANの平均も前回の調査結果の34%に対して今回は36%と改善が見られた。

 上記の様に、フィリピンの経営幹部女性比率は今回40%で、前回の39%から一段と上昇した。急上昇したインドネシアに続き、アジア2位、世界3位となった。2004年からの平均では41%で世界トップとなっている。一方、2017年の経営幹部に女性がいないという回答比率は6%でロシアの0%に次ぐ低さとなっている。

 なお、スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」が昨年10月に発表した、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差(ジェンダーギャップ)報告書2016年版」において、総合男女平等度ランキング(144カ国・地域対象)でも、フィリピンはアジアで断トツ、世界第7位という結果となっている。

 2016年世界男女表同度指数トップ10は、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位ルワンダ、6位アイルランド、7位フィリピン、8位スロベニア、9位ニュージーランド、10位ニカラグアとなった。下位グループは、140位チャド、141位サウジアラビア、142位シリア、143位パキスタン、最下位の144位がイエメンであった。
 
 フィリピンの7位はアジア地域では断トツである。ASEANでフィリピンに次ぐのはラオス43位である。そして、シンガポール55位、ベトナム65位、タイ71位、インドネシア88位、ブルネイ103位、マレーシア106位、カンボジア112位、東ティモール125位となっている。フィリピンは2013年世界5位、2014年9位、そして2015年6位(改訂値)、2016年が7位と世界ベスト10の常連となり、アジアでは断トツの男女平等度となっている。

 このように、フィリピンでは女性の各界への進出は高水準であり、男女平等度では世界でも注目される高さとなっている。