キリン出資のサンミゲルビール、純利益31%増の177億ペソ

2017/03/15

  フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲルのビール子会社で、キリン・ホールディングス(キリン)が約48.39%を出資するサンミゲル・ブリュワリー(サンミゲル・ビール=SMB)の業績が好調に推移している。

 SMBの2016年(1月~12月)の売上高は前年比18%増の972億ペソ、営業利益は同20%増の272億ペソ、純利益は同31%増の177億ペソと二桁増収増益となった。上半期の総選挙特需もあって、好調な決算となった。

 なお、サンミゲル・ビール(SMB)は、2008年にサンミゲルの国内ビール事業スピンオフで発足したが、2010年初にはサンミゲルの海外ビール事業も取得している。国内シェアは90%以上と圧倒的な強さを誇っている。起源は1890年に東南アジア初のビール醸造企業として設立されたサンミゲルであり、1914年には上海、香港、グアムなどにビール輸出を開始した。そして、1948年には香港初のビール工場を設立するに至った。すなわち、126年超の歴史を有する老舗企業いえる。

 キリンは、サンミゲル本体(SMC)への出資というかたちでフィリピンに進出した。その当時はSMC社自身が国内ビール事業を行っていた。しかし、その後、国内ビール事業部門はSMBとして分社化、SMBは2008年5月12日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場された。したがって、キリンは2009年前半に、保有していたSMC株式6億2867万6,675株(発行済株式総数の19.91%)を売却、SMB株式48.39%を取得したという経緯がある。

 SMBはその後、PSEの浮動株式比率基準(最低10%)未達成で、2013年5月15日にPSEから自主的上場廃止、現在は非上場企業となっている(17年3月14日のフィリピン証券取引所回覧01417-2017号などより)。