第1四半期の株価6.9%上昇、外人185億ペソの売り越し
サービス19%上昇、金融10%上昇、不動産・資源は軟調
1日平均売買68億ペソに縮小、時価総額は15兆ペソ超に
2017/04/03
2017年3月のフィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、月間で1.38%の上昇となった。しかし、フィリピンのドゥテルテ政権や米国トランプ政権の方針・運営手法に関する不透明感強まったことなどから、活気や方向感に欠ける様子見相場となった。
これの結果、2017年第1四半期(1月~3月)のPSEiは6.89%の上昇となった。2016年後半に急落した後の値頃感による押し目買いの動きで7%近い上昇とはなったものの、国内外の不透明要因増加、米国の利上げの動きが続きそうなことなどを背景に活気に乏しい動きが続いた。
2017年第1四半期の大分類セクター別指数動向は、サービス株が19.13%上昇、金融株が9.97%上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が6.54%上昇、工業株が2.80%上昇、不動産株が1.94%上昇、鉱業・石油株(資源株)が0.97%の上昇となった。サービス株指数は、業績悪化で2016年に大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感等で反発したことで大幅上昇となった。
第1四半期では、6つの大分類セクター別指数が全て上昇という結果となったものの、米国の追加利上げやフィリピンでの市中金利上昇で、不動産株指数は3月月間で3.87%下落した。また、環境資源省による多くの鉱山に対する閉鎖・操業停止命令方針表明で、鉱業・石油株指数も3月月間で1.93%下落した。一方、サービス株指数は3月だけで8.71%上昇と、明暗が分かれた。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年は3月31日終値)
(出所:フィリピン証券取引所やPDS資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
2017年第1四半期の1日当たり平均売買額は前年同期比0.7%増の68億1,508万ペソとなったが、2016年年間平均の約78億1,174万ペソを13%下回った。外人の売買額シェアは53%で、前年同期の50%、前年通年の51%を上回った。外人は約185億ペソの売り越しで、前年同期の約36億ペソの買い越し、前年通年の約22億ペソの買い越しから、大幅売り越しへと転じた。
2017年3月末のPSE時価総額は前年末比5.9%増の15兆2,849億ペソ、そのうち、国内企業時価総額が同6.6%増の12兆6,525億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は18.77倍であった(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
これの結果、2017年第1四半期(1月~3月)のPSEiは6.89%の上昇となった。2016年後半に急落した後の値頃感による押し目買いの動きで7%近い上昇とはなったものの、国内外の不透明要因増加、米国の利上げの動きが続きそうなことなどを背景に活気に乏しい動きが続いた。
2017年第1四半期の大分類セクター別指数動向は、サービス株が19.13%上昇、金融株が9.97%上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が6.54%上昇、工業株が2.80%上昇、不動産株が1.94%上昇、鉱業・石油株(資源株)が0.97%の上昇となった。サービス株指数は、業績悪化で2016年に大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感等で反発したことで大幅上昇となった。
第1四半期では、6つの大分類セクター別指数が全て上昇という結果となったものの、米国の追加利上げやフィリピンでの市中金利上昇で、不動産株指数は3月月間で3.87%下落した。また、環境資源省による多くの鉱山に対する閉鎖・操業停止命令方針表明で、鉱業・石油株指数も3月月間で1.93%下落した。一方、サービス株指数は3月だけで8.71%上昇と、明暗が分かれた。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年は3月31日終値)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年1月末 | 7,229.66ポイント | 5.68% |
2月末 | 7,212.09ポイント | -0.24% |
3月末 | 7,311.72ポイント | 1.38% |
3カ月間 | - | 6.89% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 14年の上昇率 | 15年の上昇率 | 16年の上昇率 | 17年3月末終値 | 17年3カ月間上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 22.76% | -3.85% | -1.60% | 7,311.72 | 6.89% |
全株指数 | 17.99% | -6.43% | 4.15% | 4,399.71 | 5.86% |
金融株指数 | 18.78% | -8.58% | 6.76% | 1,820.56 | 9.97% |
工業株指数 | 37.89% | -7.94% | -3.45% | 10,948.44 | 2.80% |
持株会社株指数 | 16.03% | 4.78% | 5.92% | 7,449.51 | 6.54% |
不動産株指数 | 27.42% | 3.75% | 5.17% | 3,125.93 | 1.94% |
サービス業株指数 | 13.94% | -28.03% | -14.86% | 1,552.15 | 19.13% |
鉱業・石油株指数 | 32.70% | -34.07% | 13.72% | 11,972.21 | 0.97% |
2017年第1四半期の1日当たり平均売買額は前年同期比0.7%増の68億1,508万ペソとなったが、2016年年間平均の約78億1,174万ペソを13%下回った。外人の売買額シェアは53%で、前年同期の50%、前年通年の51%を上回った。外人は約185億ペソの売り越しで、前年同期の約36億ペソの買い越し、前年通年の約22億ペソの買い越しから、大幅売り越しへと転じた。
2017年3月末のPSE時価総額は前年末比5.9%増の15兆2,849億ペソ、そのうち、国内企業時価総額が同6.6%増の12兆6,525億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は18.77倍であった(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 17年3月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 4,371.96 | 5,812.73 | 5,889.83 | 7,230.57 | 6,952.08 | 6,840.64 | 7,311.72 |
年末時価総額(億ペソ) | 86,970 | 109,301 | 119,313 | 142,517 | 134,651 | 144,388 | 152,849 |
国内企業時価総額 | 72,390 | 94,163 | 96,452 | 117,128 | 111,878 | 118,732 | 126,525 |
外国企業時価総額 | 14,580 | 15,138 | 22,861 | 25,389 | 22,773 | 25,656 | 26,324 |
1日平均売買額(億ペソ) | 57.1 | 72.6 | 105.2 | 88.0 | 89.6 | 78.1 | 68.2 |
外人の売買額シェア | 37.8% | 45% | 51% | 49% | 48% | 51% | 53% |
外人買越額(億ペソ) | 565.2 | 1,099.8 | 155.9 | 557.2 | -597.1 | 21.6 | -184.5 |
PER(株価収益率) | 16.57倍 | 17.97倍 | 17.79倍 | 20.13倍 | 19.48倍 | 17.90倍 | 18.77倍 |