比トヨタ自動車、純利益17%増の119億ペソ
売上高36%増の1,558億ペソ、市場シェア39%
2017/04/04
当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化してきている。
GTCAPは、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)のマジョリティーを保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ・ファイナンシャル・サービス・フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。これらのトヨタ関連各社の業績が総じて好調に推移している。その中心であるTMPCの2016年(1月~12月)の動向は以下のとおり。
GTCAP事業報告書などによると、TMPCの2016年の販売台数は前年比27%増の12万5,027台に達した。総合市場シェア(全輸入車を含む総販売台数ベース)は39%と断トツ、15年連続の3冠王(乗用車販売台数、商用車販売台数、総販売台数全て首位)となった。現地紙報道などによれば、2016年の個別モデル販売台数ランキングでも、1位トヨタ・ヴィオス(小型セダン)3万6,256台、2位トヨタ・フォーチュナー(SUV)2万8,549台、3位トヨタ・ハイエース(バン)1万9,913台、4位トヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)1万8,430台、5位トヨタ・イノーバ(MUV)1万8,137台、6位トヨタ・アバンサ(小型ミニバン)1万3,466台と6位までを独占した。
これらの結果、TMPCの2016年の売上高は前比36%増の1,558億ペソと大幅増加、帰属純利益は同17%増の119億ペソと二桁増収増益となった。帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で大幅増加した。そして、15年には同41%増の102億ペソへと増加し100億ペソの大台を突破、16年はさらに続伸という結果となった。
現在、サブ・コンパクト・セダン「ヴィオス」や中型多目的車(MPV)「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売も行っている。2009年1月に開業した「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている 。