日野自動車 フィリピン販売台数2年間で2.3倍

15年現地法人に55%追加出資、70%子会社化

2017/04/10

 日野自動車(日野)がフィリピン事業を強化している。

 日野は、2015年7月、フィリピンで製造・販売を行う合弁会社「ピリピナス日野」を子会社化し、「日野モータース・フィリピン株式会社」(略称:日野フィリピン、所在地:ラグナ州カランバ)へと社名を変更した。

 「ピリピナス日野」は、1975年に、現地企業、丸紅、日野の3社の合弁企業として設立され、2015年に40周年を迎えた。当時の出資比率は 日野15%、丸紅15%、現地企業であるプロフェッショナル・マネージャーズ社(PMI社)70%(資本金は9億ペソ)であり、日野のウエブサイトなどでは現地販売会社などと記載されてきた。

 日野は、2015年7月、PMI社から「ピリピナス日野」株式55%を取得、出資比率を70%に高め子会社化したのである。丸紅もPMI社より5%を取得することにより、「ピリピナス日野」出資比率を20%へと高め関連会社化した。丸紅は常勤取締役1名を派遣し、70%へと出資比率を引き上げた日野、PMI社と共にフィリピンでの日野自動車事業の収益基盤のさらなる強化を図っている。

 これらの出資比率の変更とともに、上記のように、「ピリピナス日野」の社名も「日野フィリピン」へと変更されたのである。

  「日野フィリピン」は、市場の継続的な成長に対応するため販売体制を充実させていくとともに、トラック・バスのボディ架装事業を強化し、幅広いニーズにワンストップで応えていく。販売後のサポートおよびサービスにおいても、直営ディーラーを中心にトータルサポートを強化すると表明している。そして、販売・サービス網拡充にも注力している。

 フル販売・サービス拠点に関しては、既に、マニラ首都圏のマニラ市、パシグ市、パラニャーケ市、カロオカン市のほか、首都圏以外のルソン島でもラグナ州ビニャン市、パンパンガ州サンフェルナンド市、南カマリネス州ナガ市、ビサヤ地方ではセブ州マンダウエ市やレイテ島タクロバン市、ミンダナオ島ではダバオ市やカガヤン・デ・オロ市など戦略的な地点に開設している。そして、このほど、成長目覚ましいバタンガス州バタンガス市ダイバージョン道路沿いにフル販売・サービス拠点をオープンした。
 
 このような動きを背景に、日野フィリピンの販売台数は、2014年が前年比49%増の1,250台、2015年が同61%増の2,015台、2016年が43%増の2,877台と急ピッチで増加している。特に、日野フィリピンが日野自動車の子会社、丸紅の関連会社となった2015年、そして2016年の2年間で販売台数は2.3倍へと大幅増加となっている。