比コンビニエンス・ストア、収益力格差も更に拡大
商品売上高:セブン284億ペソ、ミニストップ57億ペソ
2017/04/12
フィリピンの日系コンビニエンス・ストアの2016年(1月~12月)の業績動向が明らかになってきた。店舗数は既に明らかにされているが、収益動向は現地パートナー企業の事業報告書等に部分的に記載されている。
フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(月末値)
(出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値、ローソンはウエブサイトなどからの推計値)
注:比セブンイレブンは資本的的には台湾プレジデント・チェーン・ストア傘下
フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ・リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。2000年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。RRHIは2013年11月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。
フィリピンでのミニストップ店舗数は、2012年末337店、 2013年末386店、2014年末454店、2015年末519店(店舗数は日本側発表数字、以下同様)と順調に増加してきた。しかし、2016年に入るとブレーキがかかり、6月末513店、9月末501店、12月末499店と減少傾向となっている。前年同月比も、12月時点で20店減少、率にして4%減少となっている。
4月11日に発表されたRRHIの2016年年次報告書などによると、フィリピンのミニストップのグループ総売上高(システムワイドセールス)は前年比6.9%増の85億1,400万ペソ、商品売上高は同3.1%増の56億6,554万ペソとなった。選挙特需などによる既存店売り上げ増加がもたらされたが、店舗数減少などにより、増収率は一桁増加にとどまり、業界トップのセブンイレブンとの差が開いている。
商品売上高が一桁増加にとどまる一方、営業費用は同9.5%増加したことなどで、、税引前損益は7,412万ペソの赤字となり、前年の1,495万ペソから赤字が約5倍となった。税金・金利・償却前利益(EBITDA)は同17.7%増の3億1,900万ペソへと増加した。
フィリピンでもコンビニエンス・ストアの普及が本格化、競争も激化している。現在は業界首位のセブン・イレブンをやミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追 うという構図になっている。そして、ファミリーマートとサークルKマートが2013年進出、ローソンも2015年3月にフィリピン1号店をオープンした。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年9月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年末の店舗数は1,995店に達し、ミニストップの499店、ファミリーマートの99店に大差をつけている。そして、前年末比でも393店、率にして25%増加、後続グループとの差を拡大させている。
フィリピン・セブン社(PSC)の2016年の業績は引き続き好調であった。全店売上高は前年比23.2%増の317億5,650万ペソ、商品売上高は同26.6%増の283億5,730万ペソ、税引き前利益は同24.5%増の17億1,055万ペソ、純利益は同16.6%増の11億7,550万ペソに達した。新店効果や年前半の選挙特需などで、地方でのネットワーク構築コスト増などを完全にカバー、二桁増収増益決算となった。下表の様に、店舗数のみならず、収益でも、業界第2位のミニストップやその航続グループに大きな差をつけている(フィリピンセブンやロビンソンズ・リテイルグループの事業報告所などより)。
2016年の比セブンイレブンとミニストップ比較(前年同月比、単位:万ペソ)
(出所フィリピンセブンとロビンソンズ・リテール年次報告書などより作成)
フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(月末値)
年・月 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | ||||||
3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | ||||
セブンイレブン | 829 | 1,009 | 1,282 | 1,341 | 1,405 | 1,480 | 1,602 | 1,655 | 1,740 | 1,840 | 1,995 | 2,000超 |
ミニストップ | 337 | 386 | 454 | 472 | 495 | 511 | 519 | 518 | 513 | 501 | 499 | 493 |
ファミリーマート | 0 | 31 | 87 | 95 | 105 | 113 | 120 | 104 | 102 | 101 | 99 | 81 |
ローソン | 0 | 0 | 0 | 1 | N.A. | N.A. | N.A. | N.A. | N.A. | 24 | 29 | 30 |
注:比セブンイレブンは資本的的には台湾プレジデント・チェーン・ストア傘下
フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ・リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。2000年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。RRHIは2013年11月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。
フィリピンでのミニストップ店舗数は、2012年末337店、 2013年末386店、2014年末454店、2015年末519店(店舗数は日本側発表数字、以下同様)と順調に増加してきた。しかし、2016年に入るとブレーキがかかり、6月末513店、9月末501店、12月末499店と減少傾向となっている。前年同月比も、12月時点で20店減少、率にして4%減少となっている。
4月11日に発表されたRRHIの2016年年次報告書などによると、フィリピンのミニストップのグループ総売上高(システムワイドセールス)は前年比6.9%増の85億1,400万ペソ、商品売上高は同3.1%増の56億6,554万ペソとなった。選挙特需などによる既存店売り上げ増加がもたらされたが、店舗数減少などにより、増収率は一桁増加にとどまり、業界トップのセブンイレブンとの差が開いている。
商品売上高が一桁増加にとどまる一方、営業費用は同9.5%増加したことなどで、、税引前損益は7,412万ペソの赤字となり、前年の1,495万ペソから赤字が約5倍となった。税金・金利・償却前利益(EBITDA)は同17.7%増の3億1,900万ペソへと増加した。
フィリピンでもコンビニエンス・ストアの普及が本格化、競争も激化している。現在は業界首位のセブン・イレブンをやミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追 うという構図になっている。そして、ファミリーマートとサークルKマートが2013年進出、ローソンも2015年3月にフィリピン1号店をオープンした。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年9月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年末の店舗数は1,995店に達し、ミニストップの499店、ファミリーマートの99店に大差をつけている。そして、前年末比でも393店、率にして25%増加、後続グループとの差を拡大させている。
フィリピン・セブン社(PSC)の2016年の業績は引き続き好調であった。全店売上高は前年比23.2%増の317億5,650万ペソ、商品売上高は同26.6%増の283億5,730万ペソ、税引き前利益は同24.5%増の17億1,055万ペソ、純利益は同16.6%増の11億7,550万ペソに達した。新店効果や年前半の選挙特需などで、地方でのネットワーク構築コスト増などを完全にカバー、二桁増収増益決算となった。下表の様に、店舗数のみならず、収益でも、業界第2位のミニストップやその航続グループに大きな差をつけている(フィリピンセブンやロビンソンズ・リテイルグループの事業報告所などより)。
2016年の比セブンイレブンとミニストップ比較(前年同月比、単位:万ペソ)
項目 | 比セブンイレブン | 比ミニストップ |
企業目名 | PSC | RCSI |
12月末店舗数 | 1,995店 | 499店 |
マニラ首都圏店舗数 | 808店 | 319店 |
その他ルソン店舗数 | 825店 | 152店 |
ビサヤ店舗数 | 255店 | 28店 |
ミンダナオ店舗数 | 107店 | 0店 |
店舗数増加率 | 25% | -4% |
グループ全売上高 | 3,175,650 | 851,400 |
商品売上高 | 2,835,730 | 566,554 |
商品売上高増加率 | 26.5% | 3.1% |
税引前利益 | 171,055 | -7,412 |
税引前利益増加率 | 17.2% | 赤字5.0倍 |