三井物産の比トヨタ車事業、今9カ月間も好調
2016/11/20
販社トヨタ・マニラベイ、純利益2.2倍の2.5億ペソ
製造の比トヨタ自動車、純利益37%増の105億ペソ
三井物産は、フィリピンにおいて、トヨタ自動車やメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループとともにトヨタ車事業を推進している。このトヨタ車事業は2016年も好調を持続している。
三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資してきている。トヨタ・マニラベイ社はフィリピン最大のトヨタ車販社である。また、三井物産は2013年6月に、メトロバンクグループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)から、トヨタ車の販売会社であるトヨタ・クバオ社(TCI)の株式4,500万株(40%)を取得した。TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。
このトヨタ・クバオ社とトヨタ・マニラベイ社は今年3月に合併した。存続会社はトヨタ・マニラベイ社となった。合併後の新トヨタ・マニラベイ社の2016年9カ月間(1月~9月)の売上高(プロフォーマベース、以下同様)は前年同期比29.7%増の175億7,910万ペソに達した。主力の自動車販売台数は同16.4%増の1万5,698台、自動車販売額は同30.6%増の164億ペソで全体の93.4%を占めた。一方、補修部品の売上高は同19.7%増加、メンテナンスサービス収入は同17.0%増加した。
今9カ月間の粗利益額は同44.7%増の10億7,870万ペソに達した。1台当たり粗利額は4万1,957ペソで、前年同期の2万9,263ペソから43.4%増加した。車種別では、フルモデルチェンジしたイノーバ(MVC=多目的車)の粗利益が2億1,000万ペソに達した。
好調な自動車販売や一台当たり粗利額大幅増加にくわえ、オートローンや保険手数料など付帯事業収入増加などにより、純利益は同118.2%増(約2.2倍)の2億4,920万ペソへと大幅増加した。新トヨタ・マニラベイ社はパサイ市ロハス大通り、マニラ市のホセ・アバド・サントス、クバオ市、マリキナ市、カビテ州ダスマリーニャスの5カ所に販売拠点を有している。
三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える
既報のとおり、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の今9カ月間の売上高は前年同期比40.4%増の1,150億ペソ、営業利益は同36.1%増の137億ペソ、帰属純利益は同36.8%増の105億ペソと非常に好調であった。年間帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で大幅増加した。そして、15年には同41%増の102億ペソへと急増、100億ペソの大台を突破した。16年は、9カ月間で既に15年の年間最高益上回っており、連続最高益更新となりそうである(GTキャピタルの2016年第3四半期事業報告書などより)。
トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の業績等の推移(単位:百万ペソ、16年9カ月間は速報値)
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 16年9カ月間 | 9カ月間伸率 | |
売上高 | 72,560.0 | 80,676.6 | 104,886.9 | 114,346.2 | 115,044.4 | 40.4% |
粗利益 | 7,993.2 | 10,256.6 | 14,628.9 | 18,355.2 | 17,223.1 | 29.7% |
営業利益 | 3,718.2 | 5,719.1 | 9,859.1 | 13,898.9 | 13,725.4 | 36.1% |
帰属純利益 | 2,808.8 | 4,219.0 | 7,210.0 | 10,193.9 | 10,508.3 | 36.8% |
総資産 | 21,035.9 | 23,750.0 | 26,706.7 | 32,290.3 | 40,692.3 | 26.0% |
株主資本 | 8,053.2 | 9,285.9 | 11,927.0 | 15,229.4 | 15,996.8 | .5.0% |
(出所:GTキャピタル事業報告書よりなど作成、総資産や株主資本は年末値、2016年は第3四半期末値)