比ヤクルト販売14%増、世界トップクラスの伸び率

2016/11/13

16年9カ月間、供給制約なければ更に高い伸びに

 

  このところのフィリピンでのヤクルト販売数量が好調で、主要市場でトップクラスの伸び率を記録してきている。2016年9カ月間(1月~9月)もその勢いが続いた。

 ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。ミャンマーでも2018年春ごろから生産が開始される予定である。
 
 フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、創業38周年を迎えたのである。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
 
 ヤクルト本社の2016年度第2四半期(2016年7月~9月)連結決算発表補足説明資料によると、2016年上半期(1月~6月)の確定値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年同期比12.5%増の239万3千本へと二桁増加した。前年同期比12.5%増という伸び率は、同100万本以上の主要市場ではインドネシアの20.7%増に次ぐ第2位の伸び率であった。
 
 また、2016年9カ月間(1月~9月)の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比14%増の243万9千本へと増加率を高めている。この販売数量は、海外市場では中国の604万2千本、インドネシアの501万本、韓国の369万9千本、メキシコの361万5千本に次ぐ世界第5位で、タイの217万9千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは11.1%、全海外市場でのシェアは8.6%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同7.3%増の2,195万3千本、海外全体では同6%増の2,839万8千本であった。 

 2016年9カ月間のフィリピンの前年同期比14%増という伸び率は、世界で最高の伸びであったインドネシアの18.9%増、ドイツの14.1%増に次ぐ3位であった。ただし、ドイツでの一日当り販売数量は8万1千本に過ぎない。したがって、フィリピンが世界の主要市場でインドネシアに次ぐ第2位の伸び率であったといえる。

 そして、フィリピンでは、需要が非常に好調であり、生産能力増強を図りつつあるが、現時点では需要拡大ピッチに追い付かない状況であり、一部出荷制限を行わなければならない状況である。このような供給面での制約がなければ、販売伸び率はさらに高くなっているものと考えられる。いずれにしても、世界でトップクラスの販売伸び率を継続している。

 なお、ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2015年末の従業員数は1,209人、ヤクルト・レディーは2,869人、取引店は18万2,873店に達している。工場はカランバ市に立地している(16年11月11日の株式会社ヤクルト本社発表などより)。

 

 ヤクルト2016年9カ月間の海外乳製品売上数量(1日当たり本数:速報値)

国名

連結区分

速報値

販売実績(千本/日)

前年比(%)

フィリピン 持分法 2,439 114.0

台湾

持分法

820

98.2

香港

連結

575

92.2

タイ

持分法

2,179

103.5

韓国

持分法

3,699

96.6

シンガポール

連結

247

98.1

インドネシア

連結

5,010

118.9

オーストラリア

連結

236

102.9

マレーシア

連結

331

108.3

ベトナム

連結

218

111.7

インド

連結

158

108.8

中国

連結

6,042

108.1

アジア・オセアニア計
  (連 結 合 計)

 

21,953
12,817

107.3
110.9

 

ブラジル

連結

1,970

98.0

メキシコ

連結

3,615

102.6

米国

連結

255

112.5

米州計

 

5,840

101.4

 

ヨーロッパ計

 

605

105.2

 

   合        計
   (連 結 合 計)

 

 28,398
19,262

106.0
107.7

 (出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)