9月末終値は09年9月以来7年ぶりのペソ安水準
9カ月間で3%のペソ安、大統領の政治手法に懸念

 

 PDS（フィ リピン・ディーリング・システム）におけるペソ対米ドルレートは、2016年9月末終値が1米ドル＝48.500ぺソとなり、終値ベースで、2009年9月4日の48.620ぺソ以来、7年ぶりのペソ安水準となった、

　また、9月月間では3.96%の急反落となった。3.96%下落という月間下落率は、2000年10月以来、約16年ぶりの大幅下落率である。この結果、2016年9カ月間累計では2.97%のペソ安（ペソ対米ドルレート下落）となった。

　9月の急ピッチのペソ安は、新政権祝賀ムードが希薄化したことに加え、ドゥテルテ大統領の扇情的な発言や強硬的との印象を与える運営スタイルや手法に対する懸念が高まり、それらが好調な経済に水を差すのではという観測が拡がったことだと考えられる。米国利上げ懸念との相乗効果で、外資が流出、1米ドル＝50ペソが視野に入ってきた。ちなみに、株式市場では、9月28日まで、外人が25営業日連続で売り越した（PSEやPCD取引記録などよ り）。 。

ペソ対米ドルレートの動き（年末値と月末価、16年は9月30日終値)

ペソ対米ドルレート
時期	年末・月末値	上昇率
2004年	56.280ペソ	-1.39%
2005年	53.090ペソ	6.01%
2006年	49.030ペソ	8.28%
2007年	41.280ペソ	18.77%
2008年	47.520ペソ	-13.13%
2009年	46.200ペソ	2.86%
2010年	43.840ペソ	5.38%
2011年	43.840ペソ	0.00%
2012年	41.050ペソ	6.80%
2013年	44.395ペソ	-7.53%
2014年	44.720ペソ	-0.73%
2015年	47.060ペソ	-4.97%
2016年1月末	47.650ペソ	-1.24%
2月末	47.545ペソ	0.22%
3月末	46.070ペソ	3.20%
4月末	46.890ペソ	-1.75%
5月末	46.755ペソ	0.29%
6月末	47.060ペソ	-0.65%
7月末	47.110ペソ	-0.11%
8月末	46.580ペソ	1.14%
9月末	48.500ペソ	-3.96%
9カ月間	-	-2.97%

（出所：フィリピン証券取引所やＰＤＳ資料より作成