日立、フィリピン等で新型機械室レスエレベーター発売

2016/09/27

 

 日立製作所(日立)と、日立ビルシステムは、アジア・中東地域向けの新型機械室レスエレベーターを2016年9月30日から国別に順次発売開始する。このエレベーターは日本で開発を行い、日立における最新技術を搭載したエレベーターである。

 このエレベーターはデザイン性に優れるだけでなく、各国のエレベーター規格を満たすとともに、顧客の要望に短納期で柔軟に対応するために、基本仕様を標準化する一方、意匠と機能面には日本国内向けの最新仕様を適用し、電子安全技術に基づく高い安全性と、回生運転やLEDの採用による省エネルギー性、イオン発生装置の脱臭機能によるかご内環境の快適性を実現した。

 近年、アジア・中東各国の昇降機市場においては、エレベーターを昇降させる巻上機や制御盤などを設置するための機械室を設けずに、これら設備をエレベーターの昇降路内に設置する機械室レスエレベーターの需要が高まっている。日立の海外昇降機事業では、従来は日本向け/中国向けの機械室レスエレベーターを、アジア・中東各国の法規・要求仕様に合わせてカスタマイズして販売してきたが、本エレベーターの発売により、顧客により短納期で柔軟な対応ができるようになる。

 日立は、今後フィリピン、タイ、インドをはじめアジア・中東地域に対して、本エレベーターの販売を順次拡大する。またこうした活動を通して、同地域で5,000台規模の昇降機の受注をめざす。

<アジア・中東地域向け新型機械室レスエレベーターの仕様>
1.安全性
 従来の昇降機の安全装置には、スイッチやセンサーなど機械式安全装置が使われていたが、今回新たにマイコン制御を活用して高精度化した電子安全技術を採用したことにより、安全性が大きく向上した。これは日立の納入した分速1,200mの超高速エレベーターの制御に採用されている新技術である。また、乗り口のドアには赤外線センサーを採用しており、エレベーター乗降時の乗降客のはさまれを防止する。さらにこのセンサー部が赤色に点滅することで、ドアが閉まるタイミングを利用者に知らせる機能も搭載した。

2.省エネルギー性
 かご内照明にLEDを採用することで、従来の蛍光灯採用機種と比較し照明消費電力量を低減した。また、エレベーターの回生運転時に発生するエネルギーを建物で電力として利用できる機能を採用した。

3.快適性
 かご上に設置したイオン発生装置がかご内にイオンを供給し、この脱臭効果のあるイオンの働きでかご内の空気を清浄に保つ。

4. デザイン性
 日本国内向けの最新仕様を適用して、多数のかご天井デザインを準備し、またさまざまな情報を表示できる液晶ディスプレイなど、顧客の幅広い要望に対応するデザイン性を実現した。
(16年9月26日の株式会社日立製作所、株式会社日立ビルシステムのニュースリリースより)。