ブルームベリー、来年に国内2カ所目のカジノ着工方針
2016/09/20
ケソン市に、ソレア収益回復や中国人訪問増加期待等背景
マニラ湾岸の大型カジノリゾート「ソレア・リゾート&カジノ」(ソレア)を運営するブルームベリー・リゾーツ(ブルームベリー)のエンリケ・ラソン会長は、マニラ首都圏ケソン市において、2017年に国内2カ所目のカジノの建設着工、2019年に完工させる意向である。
フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。そこでは、日本のユニバーサルエンターテインメント・グループを含む4グループのカジノ複合リゾート施設の開発が行われつつある。
その4グループの一つが当地最大の港湾企業インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ(ICTSI)の総帥エンリケ・ラソン氏傘下のブルームベリーである。このブルームベリーによる大型カジノ・リゾート「ソレア」は2013年3月に開業した。2014年は収益を拡大させたが、2015年から2016年初めにかけては、南シナ海領土問題などを背景にしたフィリピン訪問中国観光客の伸び悩みや2016年2月に発生した不正送金問題の余波などにより、ソレアの業績は不振に陥った。したがって、上記のブルームベリー国内2カ所目のカジノプロジェクトの動向が注目されていた。
そのようななか、ブルームベリーの2017年第2四半期(4~6月)の総収入は前年同期比40%増の84億ペソ、そのうち、主力のカジノ事業純収入は同43%増の78億ペソへと大幅増加した。第1四半期は不正送金騒動などが響き不振であったが、第2四半期は回復に転じた。営業費用は2%減の55億ペソにとどまったことから、最終損益は13億2,975万ペソの黒字となり、前年同期の7億8,655万ペソの赤字から急改善した。
ソレアの業績回復に加え、今後はドゥテルテ政権のもとでの中国との関係改善による中国人観光客の増加、ドゥテルテ政権によるオンラインカジノ規制措置による通常カジノへの来客数増加などが期待されることもあって、ブルーっムベリーは、ケソン市でのカジノプロジェクトを推進する意向を表明した。