25日オンライン・カジノ株急騰、ストップ高(50%上昇)

2016/08/26

ドゥテルテ大統領の禁止方針撤回との報道で

 

 フィリピン証券取引所(PSE)において、オンライン・カジノ関連株が乱高下している。

 特に、渦中のロベルト・オンピン元貿易産業相傘下のゲーミング企業フィルウェブの株価は激しい動きを続けてきている。ドゥテルテ大統領は、就任後オンラインカジノ禁止意向を表明、8月月初、フィリピン賭博公社(PAGCOR)に対しフィルウェブのオンライン・カジノライセンスを更新しないよう指示した。 PAGCORも、8月10日付けでのオンラインカジノ・ライセンス打ち切りを通告した。

 フィルウェブはこれまで、オンラインゲーム喫茶「e-ゲームス・カフェ」運営に携わり、その運営が収益の柱となってきた。オンラインカジノ・ライセンス打ち切りにより、「e-ゲームス・カフェ」は閉鎖を余儀なくされ、フィルウェブの存続が危惧されるまでに至っている。このような状況下で、フィルウェブの株価は2月9日に記録した今年の最高値28.50ペソから、オンラインカジノ・ライセンスが打ち切られた8月10日には一時3.02ペソまで急落した。その後はオンピン氏やPAGCORの言動に反応するかたちで低位での乱高下を繰り返してきた。

 そして、8月25日のフィルウェブの株価は、寄り付きからストップ高(前日比50%上昇)の8.10ペソまで急騰、そのまま8.10ペソに貼り付いたままの動きが続き、8.10ペソでの多くの買い注文を残したままの引けとなった。この急騰は、ドゥテルテ大統領が、オンラインカジノ禁止を翻意し認可方針に 傾いたと報じられたことによる。

 別のオンラインカジノ企業であるレジャー&リゾーツワールド(LRWC)の株価もストップ高の5.17ペソで引けるなど、25日のオンラインカジノ関連株は揃って急騰した。一方、通常のカジノ企業であるブルームベ リー(ソレア運営)、メルコクラウン・フィリピン(シティ・オブ・ドリームス マニラ運営企業)などの株価はオンラインカジノに客が流れるとの懸念で大幅下落となった。