三井物産の比トヨタ車事業、今上半期も好調

2016/08/18

販社トヨタ・マニラベイ、純利益2.8倍の1.7億ペソ
製造の比トヨタ自動車、純利益33%増の68億ペソ

 

 三井物産は、フィリピンにおいて、トヨタ自動車やメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループとともにトヨタ車事業を推進している。このトヨタ車事業は2016年も好調を持続している。

 三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資してきている。トヨタ・マニラベイ社はフィリピン最大のトヨタ車販社である。また、三井物産は2013年6月に、メトロバンクグループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)から、トヨタ車の販売会社であるトヨタ・クバオ社(TCI)の株式4,500万株(40%)を取得した。TCIは1989年に設立されたトヨタ車販売の草分け的存在である。

 このトヨタ・クバオ社とトヨタ・マニラベイ社は今年3月に合併した。存続会社はトヨタ・マニラベイ社となった。合併後の新トヨタ・マニラベイ社の2016年上半期(1月~6月)の売上高(2社合算、以下同様)は前年同期比29.9%増の113億9,650ペソに達した。主力の自動車販売台数は同19.7%増の1万0,273台、自動車販売額は同30.8%増の106億ペソで全体の93.3%を占めた。一方、補修部品の売上高は同19.9%増加、メンテナンスサービス収入は同17.3%増加した。

 1台当たり粗利額は4万1,099ペソで、前年同期の2万8,757ペソから42.9%増加した。

 好調な自動車販売や一台当たり粗利額大幅増加にくわえ、オートローンや保険手数料など付帯事業収入増加などにより、純利益は同180.9%増(約2.8倍)の1億6,840万ペソへと大幅増加した。合併後の新トヨタ・マニラベイ社はパサイ市ロハス大通り、マニラ市のホセ・アバド・サントス、クバオ市、マリキナ市、カビテ州ダスマリーニャスの5カ所に販売拠点を有している。

 三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える
 
 既報のとおり、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の今上半期の売上高は前年同期比33.4%増の712億6,610万ペソ、営業利益は同30.4%増の89億0,950万ペソ、帰属純利益は同33.1%増の68億1,600万ペソと好調であった。年間帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で大幅増加した。そして、15年には同41%増の102億ペソへと急増、100億ペソの大台を突破したが、16年もその最高益を大幅に上回るペースとなっている(GTキャピタルの2016年第1四半期事業報告書などより)。