比トヨタファイナンシャル、二桁増収続く
2016/08/17
上半期の純金利収入は15%増の9億8千万ペソ
当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化している。
GTCAPは、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ・マニラベイ社(TMBC)のマジョリティーを保有している。さらに、2014年9月には、トヨタファイナンシャルサービス・フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。現在のTFSPC株式保有比率はトヨタ・ファイナンシャル・サービス60%、GTCAP40%となっている。
GTCAPの事業報告書などによると、トヨタファイナンシャルサービス・フィリピン(TFSPC)の2016年上半期(1月~6月)の総金融収入は前年同期比17.4%増の15億6,920万ペソで、二桁増収ペースが続いている。銀行やその他の金融機関等との競争が激化しているが、今上半期の新規融資対象車両数は同22.7%増の1万2,031台へと二桁増加した。そして、上半期末の融資残高は前年同期末比18.5%増の363億7,890万ペソに達した。
純金利収入は同15%増の9億8,060万ペソと二桁増加となった。営業費用が同21.6%増加したこと、貸し倒れ引き当てが19.9%増加したことで、純利益は同11.6%減の2億6,720万ペソへと減少したが、業容は順調に拡大していると言えよう。下表の様に、年間ベースでは、収益、資産共に拡大基調を辿っている。
トヨタファイナンシャルサービス・フィリピン業績推移(単位:百万ペソ、16年上半期は速報値)
年・時期 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 16年上半期 | 上半期伸率 |
金融収入 | 1.704.6 | 2,234,7 | 2,828.2 | 1,569.2 | 17.4% |
純金利収入 | N.A. | N.A. | N.A. | 980.6 | 15.0% |
純利益 | 436.7 | 398.0 | 515.1 | 267.2 | -11.6% |
融資残高 | 20,301.8 | 28,357.0 | 33,304.4 | 36,378.9 | 18.5% |
総資産 | 29,577.4 | 39,424.8 | 44,278.4 | 47,937.7 | 15.7% |
株主資本 | 2,725.6 | 3,842.7 | 4,369.4 | 4,622.4 | 11.5% |
(出所:GTキャピタル年次報告書や事業報告書より作成、総資産や株主資本は年末値または上半期末値)
既報のとおり、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の今上半期の売上高は前年同期比33.4%増の712億6,610万ペソ、営業利益は同30.4%増の89億0,950万ペソ、帰属純利益は同33.1%増の68億1,600万ペソと好調であった。年間帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で大幅増加した。そして、15年には同41%増の102億ペソへと急増、100億ペソの大台を突破したが、16年もその最高益を大幅に上回るペースとなっている。
参考の為再掲:トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の業績推移(単位:百万ペソ、16年上半期は速報値)
年・時期 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 16年上半期 | 上半期伸率 |
売上高 | 72,560.0 | 80,676.6 | 104,886.9 | 114,346.2 | 71,266.1 | 33.4% |
粗利益 | 7,993.2 | 10,256.6 | 14,628.9 | 18,355.2 | 11,206.4 | 27.2% |
営業利益 | 3,718.2 | 5,719.1 | 9,859.1 | 13,898.9 | 8,909.5 | 30.4% |
帰属純利益 | 2,808.8 | 4,219.0 | 7,210.0 | 10,193.9 | 6,816.0 | 33.1% |
総資産 | 21,035.9 | 23,750.0 | 26,706.7 | 32,290.3 | 35,889.3 | 11.1% |
(出所:GTキャピタル事業報告書よりなど作成、総資産や株主資本は年末値または上半期末値)