比コンビニ業界、明暗が一段と鮮明に

2016/08/11

セブン順調、ミニストップとファミマ店舗減少

 

 フィリピンでもコンビニエンス・ストアが普及期を迎え、マニラ首都圏中心に競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、 2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。 

 2013年4月にフィリピンに進出したファミリーマートの店舗網が2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台に到達した。ただし、業界の競争激化や出店政策の見直しなどがあるせいか、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化、2016年は減少傾向となっている。2016年7月末の店舗数は101店(日本側発表数字、以下同様)にとどまった。ピークの昨年12月末の120店から減少傾向が続いている。2015年7月の109店からも8店の減少、すなわち、前年同月比減少にまで至った。2015年末からは19店の減少となっている。

 2013年の初出店時は3年間で300店オープンという目標が掲げられていたが、3年経過時点で、当初目標の3分の1にとどまっている。フィリピンでもコンビニ業界の競争が激化していることにくわえ、フィリピン側のパートナーであるSSIグループの「店舗合理化プログラム」実施が影響しているようである。

 

 フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値)

2015年 2016年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
店数 87 91 95 97 101 105 109 114 113 114 117 120 111 108 104 104 103 102 101

(出所:株式会社ファミリーマート資料より作成)

 また、ミニストップの2016年7月末の店舗数は513店で、6月末から変わらず、2015年末からは6店の減少となっている 。前年同月末の502店からは11店、率にして2%の増加となっているが、今年7カ月間では小幅ながら純減となっている。

フィリピンのミニストップ店舗数推移(月末値)

2015年 2016年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
店舗 455 465 473 484 490 495 502 507 511 513 519 519 521 518 518 516 516 513 513

(出所:株式会社ミニストップ資料より作成)
 

 一方、首位のセブン・イレブンの店舗数は順調に増加している。フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年6月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年6月末の店舗数(7月末は未公表)は1,740店に達し、ミニストップの513店、ファミリーマートの102店に大差をつけている。今上半期では138店の純増であり、純減であったミニストップやファミリーマートとの差を拡大させている。


フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストア傘下)

年・月 12年末 13年末 14年末 15年3月末 6月末 9月末 12月末 16年3月末 6月末 上半期増減
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,341 1405 1,480 1,602 1,655 1,740 138店増加
ミニストップ 337 386 454 472 495 511 519 518 513 6店減少
ファミリーマート 0 31 87 95 105 113 120 104 102 18店減少

(出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値)