国民食ジョリビー・フーズ、上半期は18%増益
2016/08/10
選挙特需等で好調、6月末3,183店(海外655店)
ファーストフード・チェーン最大手で、国民食とも称されるほどの人気を誇るジョリビー・フーズ(JFC)が、8月8日、2016年上半期(1月~6月)の決算速報を発表した。
今上半期のグループ全体の総売上高は前年同期比14.9%増の714億ペソ、営業収入は同13.7%増の544億ペソとなった。特に、第2四半期のフィリピン事業は、新店効果、来店客数や客単価の上昇、選挙特需などにより、前年同期比17%増収と好調であった
増収効果やコスト節減効果などにより、今上半期の営業利益は同20.7%増の35億2,300万ペソ、純利益は同13.4%増の30億6,400万ペソ、帰属純利益は同17.5%増の30億5,400万ペソ、1株当り純利益(EPS:完全希薄後ベース)は同16.9%増の2.795ペソに達した。年率換算の自己資本利益率(ROE)は19.4%で、前年同期の16.0%から上昇した。
国内、海外双方での積極出店を続けている。この結果、2016年上半期末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,528店に達している。内訳はハンバーガーのジョリビー939店、中華のチャウキン457店、ピザのグリーンウイッチ237店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン378店、鶏肉・バーべキューのマン・イナサル455店、バーガー・キング62店 となっている。
一方、海外店舗数は655店舗となった。そのうち、中国ではファーストフード・チェーンのYongheキング(永和大王) が321店、粥チェーンの宏状元餐が40店、華南の牛肉麺チェーン三品王59店、ダンキン・ドーナツ(中国)4店などとなっている。また、海外でのジョリビーは151店(ベトナム79店、 米国33店、ブルネイ14店、サウジ10店、シンガポール4店、クウェート4店、UAE3店、カタール2店、香港1店、バーレーン1店)。これらを含むジョリビーフーズ・グループ 国内外総店舗数は3,183店舗に達している。
このほか、50%出資の「ハイランド・コーヒー」131店、同ベトナム麺の「フォー24」32店、40%出資の米国「スマッシュバーガー」366店など50%以下の出資の合弁事業店舗数は557店に達している。これらの合弁事業分も含めた総店舗数は3,740店舗となる。
2016年の設備投資予定額は104億ペソであり、前年実績の47億ペソから2.2倍となる。このうち、75億ペソは新規出店(200店以上と予定)や既存店増改築に充当される。残りの29億ペソは物流・調理センター新設などに充当される。
現在海外では米国、中東、東南アジア中心事業を展開している。海外ネットワークの更なる拡充戦略の一環として、2015年10月には米国の新興ハンバーガー・チェーン「スマッシュバーガー」の株式40%を9,947万米ドルで取得した。この取得には、60%の追加オプションも付せら れている。JFCがついに本場米国の急成長バーガーチェーンに40%出資、将来的には完全子会社化を視野に入れていることは興味深い動きである。2016年には英国とイタリア、2017年までに日本と豪州に進出する意向を表明している。
また、上記の様に、米国でハンバーガーのジョリビーを33店を展開しているが、今年末もしくは来年年初までにニューヨークのマンハッタンにも出店予定とのことである(16年8月8日のフィリピン証券取引所回覧04698-2016号などより)。