比コンビニ業界、上半期は明暗が鮮明に

2016/07/12

セブン順調、ミニストップとファミマは店舗減少

 

 フィリピンでもコンビニエンス・ストアが普及期を迎え、マニラ首都圏中心に競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセ ブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、 2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。 



 2013年4月にフィリピンに進出したファミリーマートの店舗網が2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台に到達した。 ただし、業界の競争激化や出店政策の見直しなどがあるせいか、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化、2016年上半期は減少傾向となっている。
 
 2016年6月末の店舗数は102店(日本側発表数字、以下同様)にとどまった。昨年12月末の120店、今年1月末の111店、2月末の108店、3月末と4月末の104店、5月末103店、6月末102店へと減少傾向が続いている。2015年6月の105店からも2店の減少、すなわち、前年同月比減少にまで至った。2015年末からは18店の減少となっている・

 2013年の初出店時は3年間で300店オープンという目標が掲げられていたが、3年経過時点で、当初目標の3分の1にとどまっている。フィリピンでもコンビニ業界の競争が激化していることにくわえ、フィリピン側のパートナーであるルスタングループの「店舗合理化プログラム」実施が影響しているようである。
 フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値)

2015年 16年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
店数 87 91 95 97 101 105 109 114 113 114 117 120 111 108 104 104 103 102

(出所:株式会社ファミリーマート資料より作成)

 また、ミニストップの2016年6月末の店舗数は513店で、5月末から3店、2015年末からは6店の減少となっている 。前年同月末の495店からは17店、率にして4%の増加となっているが、今年上半期では小幅ながら純減となっている。

 フィリピンのミニストップ店舗数推移(月末値)

2015年 2016年
時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
店舗 455 465 473 484 490 495 502 507 511 513 519 519 521 518 518 516 516 513

 (出所:株式会社ミニストップ資料より作成)

 一方、首位のセブン・イレブンの店舗数は順調に増加している。フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2016年3月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。2016年3月末の店舗数は1,655店に達し、ミニストップの518店、ファミリーマートの104店に大差をつけていた。6月末では約1,730店(推定)に達したと見られ、今上半期では約130店の順送であり、純減であったミニストップやファミリーマートとの差を拡大させている。

フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストアの傘下)

年・月 12年末 13年末 14年末 15年3月末 6月末 9月末 12月末 16年3月末 6月末 上半期増減
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,341 1405 1,480 1,602 1,655 約1,730(推定) 約130店増
ミニストップ 337 386 454 472 495 511 519 518 513 6店減少
ファミリーマート 0 31 87 95 105 113 120 104 102 18店減少

 (出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値)