第1四半期末のペソ建て社債残高、6%増の8,130億ペソ

2016/06/26

1位アヤラランド662億ペソ、2位メトロバンク468億ペソ

 

 アジア開発銀行(ADB)は6月24日に、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版の2016年6月号(2016年第1四半期実績などを記載)を発表した。

   「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港と いう合計9カ国・地域の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。

 このABM最新版によると、2016年第1四半期末(3月末)の東アジア新興国の現地通貨建て債券の発行残高は、前四半期末(2015年12月末)比3.9%増、前年同期末(2015年3月末)比で20.9%増の9兆6,080億米ドルに達した。中国の債券発行残高が前年同期末比28.3%増の6兆5,050億ドルと全体の3分の2以上を占め、群を抜いて最大の市場となっている。

 2016年第1四半期末のフィリピンの現地通貨(ペソ)建て債券発行残高は前年同期末比0.5%増の4兆7,060億ペソ(約1,020億米ドル))であった(前期末比では1.1%減少)。そのうち、政府債が前年同期末比0.6%減の3兆8,930億ペソ(850億米ドル、構成比83%)、社債が同6.3%増の8,130億ペソ(180億米ドル、構成比17%)であった。

 ペソ建て社債残高は前期末(2015年12月末)比では0.1%の減少となった。2016年第1四半期中の発行額は前年同期末比4.2%増、前期末比56.9%減の125億ペソにとどまったことによる。発行額125億ペソの内訳はアヤラランドの80億ペソの10年物社債、フェニックス・ペトロリアムの35億ペソのコマーシャル・ぺーパー、SLアグリテックの10億ペソのコマーシャル・ぺーパーであった。

  2016年第1四半期末のペソ建て社債残高8,130億ペソの89%は上位30社が発行したものである。

 2015年末のペソ建て社債残高の企業別トップはアヤラランドの662億ペソである。2位はメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)468億ぺソ、3位はSMプライム・ホールディングス450億ペソ、4位はアヤラコープ400億ペソ、5位はサンミゲル・ブリュワリー(SMB=サンミゲル・ビール)378億ペソ。
 
 以下、6位BDOユニバンク375億ペソ、7位フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)346億ペソ、8位フィル インベストランド320億ペソとアボイティス・エクイティー・ベンチャーズ320億ペソ、10位JGサミット300億ペソ、11位SMインベストメンツ283億ペソ、12位マニラ電力(メラルコ)235億ペソなどと続く(16年6月24日のアジア開発銀行発表などより)。