フィリピン起源のIT企業AWS、東証マザーズ上場
2016/05/23
マカティやセブ等に事業基盤、アルカンタラとも合弁
IT企業AWSホールディングス(AWS、本社:東京都文京区)は、5月17日、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を承認された。上場日は2016年6月21日(火)を予定している。
AWSグループはこれまで20年間に渡りフィリピンオフショア市場を創造し続け、大手国際展開企業との直接取引の拡大が奏功し、テスティング及び組み込み系システム開発の分野で最大のシェアを獲得、同分野において確固たる地位を確立してきた。
更に、これまでの開発実績をベースに、新たな事業領域(医療・金融・エネルギー)への取り組みを拡大、2012年12月に医療事業分野ならびに今後の国内事業展開を担う「中核」として株式会社エーアイエスをグループに加え、医療分野でのビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えてきた。エーアイエスは1999年に医療機関に向けて日本初のレセプト点検専用ソフトを開発、同マーケットを創造してきている。
AWSの前身は、APTiフィリピン(APTiは日本IBMと東芝テックの合弁会社)であり、1993年に、PEZA(フィリピン経済区庁)の登録のもとフィリピンのラグナで正式に業務を開始した。1997年にはフィリピンのコングロマリットであるアルカンタラ・グループとの合弁で、子会社Alsons/APTi information Systems,Inc.(AAISI)を設立、モバイルデバイスの品質管理及びソフトウェア開発(ラップトップ、携帯電話等)、POS用ミドルウェア開発、ビジネスアプリケーション ソリューション開発、マルチファンクションプリンタ向けのマイクロコード、デバイスドライバーの開発などへと事業を拡大した。
2003年には社内日本語研修センター『ACTION』設立、2005年に株式会社WCLのグループ会社となり、「株式会社AWS」を設立した。そして、2007年にWCLグループから独立し、独立資本の会社となった。そして、20年以上に渡るフィリピンでのオフショア開発実績をベースに多様な事業基盤を築いてきている。
現在のAWSの事業は、「グローバル事業」、「メディカル事業」、「エンタープライズ ソリューション事業」に大別される。
主力の「グローバル事業」では、ソフトウェアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なアウトソーシング・サービスを行っている、AWSグループが主たる事業拠点としているフィリピンは、年6%程度の経済成長を続けており、人口動態予測においても、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想となっている。さらには、中国リスクに対応するための「中国+1(チャイナ・プラスワン)」の最適地としても注目されている。
今後は、米国に向けたヘルスケア領域におけるBPO(Business Process Outsourcing)やモバイル&クラウドおよび自動化テスティングサービス分野において新サービスの提供を開始し、顧客とともに成長し続けるWIN-WINモデルの構築を行って行く方針である。
現在、フィリピンでは、マニラ首都圏マカティ市、アラバン、セブに開発拠点を有している。このほか、日本、中国・北京、香港にも拠点を有している。