比ヤクルト販売好調続く、第1四半期9.4%増加

2016/05/10

1日当たり230万9千本に、海外市場第5位

 

 ヤクルト本社が5月10日に、2015年度(15年4月~16年3月)の連結決算を発表した。2015年度の連結売上高は前年度比6.1%増の3,904億円に達した。経常利益は同11%増の506億円、帰属純利益は同15.1%増の288億円と二桁増益となった。

  アジアでの好調が堅調な業績の大きな要因となっている。アジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は同22.7%増の971億円、営業利益は同32.3%増の270億円と各々大幅増加した。営業利益率は27.8%で、前年度の25.8%から上昇した。ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。
 
 特に、フィリピンでの販売好調が続いている。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
 
 連結決算発表補足説明資料によると、2015年(1月~12月)の確定値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比14%増の213万9千本へと二桁増加した。
 2015年のフィリピンの前年比14%増という伸び率は、世界で最大の伸びであった米国の16.1%増に次ぐ2番目の伸びであり、3位インドネシアの13.3%増、4位インドの12.4%増、5位マレーシアの11.9%増、6位中国の9.3%増などを上回っている。 伸び率1位の米国での一日当り販売数量は22万9千本に過ぎない。したがって、フィリピンが世界の主要市場で最大の伸び率であった。

 また、2016年第1四半期(1月~3月)の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比9.4%増の230万9千本へと好調に推移している。この販売数量は、海外市場では、インドネシアの460万6千本、中国の427万5千本、メキシコの346万1千本、韓国の329万6千本に次ぐ世界第5位で、タイの213万6千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは12.3%、全海外市場でのシェアは9.1%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同5.7%増の1,876万6千本、海外全体では同4.3%増の2,523万7千本であった。 

 なお、ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2014年末の従業員数は1,000人、ヤクルト・レディーは2,737人、取引店は15万8,297店に達している。工場はカランバ市に立地、2014年末の生産能力は1日250万本。そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造されたヤクルトを1本約24円相当という低価格で提供してきている(16年5月10日の株式会社ヤクルト本社発表などより)。

ヤクルト2016年第1四半期(1月~3月の)海外乳製品売上数量(1日当たり本数:速報値)

国名

連結区分

速報値

販売実績(千本/日)

前年比(%)

台湾

持分法

569

86.7

香港

連結

451

83.8

タイ

持分法

2,136

105.9

韓国

持分法

3,296

96.0

フィリピン

持分法

2,309

109.4

シンガポール

連結

248

104.6

インドネシア

連結

4,606

123.0

オーストラリア

連結

233

102.2

マレーシア

連結

332

110.0

ベトナム

連結

184

117.1

インド

連結

147

112.7

中国

連結

4,275

1015

アジア・オセアニア計
  (連 結 合 計)

 

18,786
10,475

105.7
109.7

 

ブラジル

連結

2,092

98.7

メキシコ

連結

3,461

99.6

アメリカ

連結

247

116.5

米州計

 

5,800

99.8

 

ヨーロッパ計

 

651

106.0

 

   合        計
   (連 結 合 計)

 

 25,237
16,926

104.3
106.0

(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)