2月の卸売物価1.1%下落、またも水面下に

2016/04/19

 

 フィリピン統計庁(PSA)によると、2016年2月の全国総合卸売物価指数GWPI、1998年=100)は 219.7で、前年同月比1.1%の下落となった。

 2016年1月のGWPIは219.1で、前年同月比0.4%の上昇となり、15カ月ぶりにプラスに転じたが、2月はまたもマイナスへと逆戻りした。

 飲料・たばこ(前年同月比3.5%上昇)、食品(同3.2%上昇)、その他工業製品(同1.8%上昇)等が前月の上昇率を下回ったことと、継続的な鉱物燃料・潤滑油類(前年同月比18.6%下落)の下落が影響した。一方、前月より活発な動きを示したのは、燃料除く非食品原料(同11.6%上昇)、動物・植物油・油脂を含む化学製品(同2.9%上昇)。

 地域別では、ルソンは前年同月比1.6%下落、ビサヤ地方は1.0%上昇、ミンダナオ地方は0.4%上昇で、軒並み前月の上昇率を下回った。

 2月の全国消費者物価指数(CPI)上昇率は0.9%(2006年=100)で、GWPI(‐1.1%)を上回っている。なお、当地の総合卸売物価指 数発表は、消費者物価指数(CPI)発表(翌月の5日前後)に比べ非常に遅いことに留意する必要がある(16年4月18日のフィリピン国家統計庁発表よ り)。



フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(1998年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
15年 1月 -6.4 -7.2 -3.0 -3.0
2月 -4.9 -5.4 -2.4 -2.1
3月 -4.7 -5.2 -1.9 -3.0
4月 -4.4 -4.9 -0.5 -2.9
5月 -4.1 -4.8 -0.3 -1.8
6月 -3.7 -4.2 -1.0 -2.1
7月 -3.7 -4.1 -1.9 -2.2
8月 -4.1 -4.4 -2.8 -2.5
9月 -4.3 -4.9 -2.2 -1.6
10月 -3.1 -3.5 -1.4 -1.0
11月 -2.1 -2.4 -0.7 -1.4
12月 -0.7 -1.0 1.0 -0.6
16年1月 0.4 0.1 1.4 1.6
2月 -1.1 -1.6 1.0 0.4
         
07年平均 3.2 2.8 5.4 4.1
08年平均 11.9 12.9 7.9 7.4
09年平均 -3.9 -4.6 -4.7 2.8
10年平均 5.9 6.3 4.0 4.4
11年平均 8.7 9.6 6.4 2.7
12年平均 1.1 1.2 0.1 1.7
13年平均 1.6 2.2 1.9 7.0
14年平均 2.7 2.5 3.2 4.3
15年平均 -3.9 -4.3 -1.4 -2.0
(出所:比国家統計庁資料より作成、改定値あり)


参考:卸売物価指数構成比率(1998年=100、単位:100%)
項目 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
全品目 100.00000 79.73367 9.44202 10.82431
食品 36.03666 28.51825 3.39246 4.12595
飲料及び煙草 4.32913 3.38005 0.46006 0.48902
非食品天然素材(エネルギーを除く) 2.44286 2.14017 0.21180 0.09089
鉱物燃料・潤滑油など 8.61595 7.19030 0.69107 0.73458
化学製品・油脂類 8.21496 6.30154 1.00654 0.90688
原料別製品 16.91699 13.77781 1.32796 1.81122
機械・輸送機器 14.26360 11.25821 1.37657 1.62882
その他工業製品 9.17985 7.16734 0.97556 1.03695

                        (出所:フィリピン国家統計庁資料より作成)