渦中のRCBC株式、2大株主が買い増し

2016/04/07

パンマラヤンと台湾キャセイ・ライフ保険

 

 送金問題調査の渦中にあるリサール商業銀行(RCBC)の2大株主が、RCBC株式を買い増し、保有比率を高めている。

 筆頭株主であるパンマラヤン・マネジメントは4月1日に、RCBC株式880万を1株当たり30ペソ、総額2億8,400万ペソで取得した。これにより、パンマラヤン・マネジメントのRCBC保有比率は41.68%から42.31%へと上昇した。

 パンマラヤン・マネジメントに次ぐ大株主である台湾のキャセイ・ライフ・インシュランス(キャセイ・ライフ)も、3月31日に、RCBC株式580万株を1株当たり30ペソ、総額1億7,400万ペソで取得した。これにより、キャセイ・ライフのRCBC保有比率は22.71%から23.00%へと上昇した。

なお、RCBCの2015年の純利益は前年比15%増の51億ペソに達した。売買損益や一時的損益を除外したコア純利益ベースでは43%増であった。株主資本利益率(ROE)は9.24%、総資産利益率(ROA)は1.08%へと上昇した。
 
 RCBCは、業容拡大の一方で、財務体質の向上、自己資本拡充も推進してきた。2015年末の連結ベースでの純不良債権(NPL)比率は0.79%で前年末の0.97%から一段と改善、過去最低水準となった。NPL貸し倒れ引当率は101.65%となっている。バーゼルⅢ基準での自己資本比率(CAR)は15.72%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本 (TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も12.55%と高く、中央銀行の最低基準8.5%を大幅に上回っている。

 支店網拡充やATM台数増加などネットワーク拡充も推進しており、2015年末の店舗数は456店(前年末は449店)、ATM台数は1,342台(同1,201台)、顧客口座数は730万(同670万)に達している(16年4月6日のフィリピン証券取引所回覧02078-2016号などより)。