送金問題渦中のRCBC、身売りや合併否定

2016/04/05

大手銀行BDOやBPIもRCBC買収交渉報道を否定

 

 2月初めに、バングラデシュ銀行(中央銀行)が米ニューヨーク連邦準備銀行に保有する口座がハッカーに不正アクセスされ、盗まれた1億ドル強のうち、8,100万ドルがフィリピンの口座へ送金されるという事件が発生した。

  8,100万ドルは、フィリピンの有力銀行であるリサール商業銀行(RCBC)ジュピター支店(マカティ市)の複数の口座に送金され、その後、8,100万ドルの大半の行方が分からなくなっているとされている。

 この不正送金問題で揺れるRCBCを、フィリピン最大行のBDOユニバンク(BDO)やアヤラ系の優良銀行バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)などが買収するのではないかとの観測や、既に買収交渉が開始されたとの噂が広がっている。

 このような観測や噂に対して、RCBCは4月4日、フィリピン証券取引所(PSE)に対して、「このような観測や噂は根拠のないものである。RCBCがマジョリティーを売却するような交渉や合併交渉を行った事実はない」と報告した。

 また、BDOやBPIも「RCBCとの間で買収や合併交渉を行った事実はない」と発表した(16年4月4日のフィリピン証券取引所回覧01716-2016号などより)。