JICAとADB、アジア・インフラファンドを設立へ
2016/03/31
JICA最大15億ドル出資、電力、通信、運輸等支援
3月30日、国際協力機構(JICA)とアジア開発銀行(ADB)は、アジア及び大洋州地域における民間によるインフラ整備を支援するための信託基金(”Leading Asia’s Private Infrastructure Fund”: LEAP)の設立に関する契約書を締結した。JICAはLEAPに対して最大15億米ドルを出資する予定である。LEAPはADBの民間部門業務局が管理を行う。
LEAPは電力(特に再生可能エネルギー、省エネ)、水、都市インフラ、運輸、情報通信、そして保健分野における質の高い民間セクターのインフラ案件を対象とし、民間セクターが様々な形態(官民連携パートナーシップ(PPP)、コンセッション、法人等)を通じて実施するインフラ事業に対して、出融資による支援を行う。
2015年11月21日に日本政府より発表された「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ施策において、JICAとADBの間での信託基金の創設が言及された。以降、本信託基金の実現に向けて、両機関は2015年12月17日に連携枠組みにかかる業務協力の覚書(MOU)を締結し、具体的な契約条件等について今般合意に至った。
ADBによれば、アジアのインフラ資金需要は年間8,000億ドルに上ると見られており、供給とのギャップを解消する上で、民間セクターと開発機関の資金を活用することは不可欠となっている。JICAは、海外投融資を活用してLEAPへの出資を行い、アジア及び大洋州地域の質の高いインフラ案件に対する、民間部門向け出融資業務の事業拡大を図る。
今後もJICAは、各国・国際機関と協働し、「質の高いインフラ投資」を推進し、「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえた開発途上国・地域の経済社会開発に貢献して行く方針である(16年3月30日の国際協力機構ニュースリリースより)。