キリン、フィリピン現地経験者が経営中枢占める

2016/03/06

代野サンミゲルビール副社長が常務執行役員に
2名の代表取締役(磯崎氏と西村氏)も比常駐経験

 

 キリンホールディングス(社長 磯崎功典氏)は、2月29日開催の取締役会において、下記のとおり、キリンホールディングス株式会社及び子会社(キリン株式会社)の執行役員の異動を行うことを決定した。

 キリンホールディングスは、2月15日発表の「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」において、「ビール事業の収益基盤強化」を掲げ、2015年度に買収したミャンマー・ブルワリー社の市場リーダーポジションの強化を進めていく。その実現に向け、現地の執行体制を強化すべく、キリンホールディングスの常務執行役員、南方健志氏をミャンマー管掌として現地に駐在する常勤取締役として派遣することにした。なお、南方氏は、4月1日付で、ミャンマー・ブルワリー社の取締役社長に就任する予定。併せて、キリンホールディングス及びキリン株式会社の執行役員の異動を行う。

【執行役員の異動】
<新任>
 現サンミゲルビール(サンミゲル・ブリュワリー、キリンホールディングスが48.39%出資)の取締役副社長である代野照幸氏が、3月30日付で、キリンホールディングス常務執行役員 グループ経営戦略担当ディレクター兼キリン株式会社常務執行役員 経営企画部長に就任する。
 代野氏は2011年4月にサンミゲルビールの取締役上級財務アドバイザーに任命され、同年10月に取締役副社長に選任されている。なお、サンミゲルビールの取締役定員は11名。キリンはサンミゲルに4名の取締役を送っている。そのほか、サンミゲルから5名、独立系2名という内訳になっている。


<担当業務の変更>
 キリンホールディングス常務執行役員である南方健志氏の担当業務が、3月30日付で、グループ経営戦略担当ディレクターからミャンマー管掌へと変更される。南方氏は、キリン株式会社の常務執行役員 経営企画部長からは3月30日付で退任、4月1日付でミャンマー・ブルワリー社取締役社長に就任する予定である。

 なお、現在のキリンホールディングスの代表取締役社長(2015年4月就任)は磯崎功典氏であり、キリン株式会社の代表取締役社長も兼任している。また、西村慶介氏がキリンホールディングスの代表取締役常務執行役員(事業提携・投資戦略、海外担当)を務めている。

 磯崎氏は2004年3月から2007年2月までサンミゲルに出向し常勤取締役を務めた。また、西村氏も2009年3月にサンミゲルに出向し常勤取締役就任、2009年4月から2011年9月まではサンミゲルのビール部門がスピンオフして設立されたサンミゲルビールの取締役副社長を務めた。
 
 すなわち、キリンホールディングスの代表取締役は双方ともサンミゲルグループへの出向経験者である。そして、代野氏が常務執行役員(キリン株式会社常務執行役員兼任)として帰任することになる。また、2011年4月までサンミゲルビールの取締役上級財務アドバイザーを務めた石原基康氏もキリンホールディングスの監査役となっている。フィリピン現地経験者がキリンホールディングスの要職を占めているといえよう(16年2月29日のキリンホールディングスのニュースリリースなどより)。