メトロバンク純利益186億ペソに、実質20%増益

2016/02/25

売却益減少で報告ベースでは7%減益:2015年
自己資本比率(CAR)17.8%、国内店舗943店に

 当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店マニラ首都圏マカティ市)が、2015年(1月~12月)決算速報を発表した。

 

 それによると、主力の純金利収入は前年比7%増の489億7,400万ペソに達した。純利鞘率は3.54%で上位行のなかでは最高水準であった。一方、非金利収入は同36.7%減の184億2,800万ペソへと大幅減少した。これは、非中核資産(抵当権行使不動産など)処分益が前年の102億ペソから12億9,000万ペソへと急減したことによる。

 一方、営業費用は同10.5%減の419億3,100万ペソであった。これらの結果、報告純利益は6.3%減の206億4,300万ペソ、帰属純利益は同7.4%減の186億2,500万ペソへと減少した。ただし、非中核資産売却益など一時的損益を控除したコア純利益ベースでは20%増となる。すなわち実質20%増益決算であった。
 
 2015年末の受け入れ預金残高は前年末比6.2%増の1兆2,580億ペソ、融資残高は同16.8%増の8,872億ペソ。総資産は同9.7%増の1兆7,607億ペソ、4月に320億ペソの株主割当増資を行ったことなどで株主資本は同28%増の2,033億ペソに達した。この結果、バーゼルⅢ基準による自己資本比率(CAR)は17.75%(前年末16.03%)、中核株式自己資本比率(CET1)も14.25%(同12.14%)へと更に上昇した。
 
 2015年末の国内店舗数は943店、海外支店は32店、ATM設置台数は約2,226台に達している。本店には2002年よりジャパンデスクを 設置済みであり、同デスクは日本人ヘッドのほか、総勢12名以上の陣容となっている。在日拠点は東京支店(設置:1996年3月)、大阪出張所(設置:1998年12月)の2拠点となっている。

 日系中堅中小企業のフィリピン進出・投資が増加しており、2015年末時点で、メトロバンクは日本の政府系金融機関2行(日本政策金融公庫・国際協力銀行=JBIC)と地域金融機関63行との間で、日系企業のフィリピン進出支援について提携しており、ほぼ日本全国の地域金融機関が窓口になる。地域金融機関は個別提携19行、国際協力銀行(JBIC)を通じた提携45行(重複行あり)となっている(16年2月24日のフィリピン証券取引所回覧00850-2016号などより)。