双日、フィリピン自動車事業基盤一段と拡充

2016/02/18

 

 双日が三菱自動車工業(三菱自動車)とともにフィリピンで展開している自動車生産・販売会社ミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーション社(MMPC)は、2月10日、フィリピンの自動車産業育成政策「CARS Program(Comprehensive Automotive Resurgence Strategy Program)」への参加を表明した。

 双日は、1972年にフィリピンでの三菱自動車組立・販売事業に参入して以来、長年にわたり三菱自動車とともに車体の生産・販売・ブランド構築に努めて きた。この間、MMPCは同国の自動車生産会社として初めて累計生産50万台を達成し、高い販売シェアを維持しながら、同国の自動車産業とともに発展を続 けている。

 MMPCは、フィリピンの自動車市場の拡大に対応した生産能力を確保するため、本社および工場をリサール州カインタ市からラグーナ州サンタローサ市に移転し、2015年1月に新工場の開所式を行った。今後、「CARS Program」への申請、比国政府による承認を経て、2017 年初めより『ミラージュ』および『ミラージュG4(アトラージュ)』を新工場の生産ラインアップに加えることで、今後の需要拡大が期待される小型乗用車の 市場ニーズに素早く対応できる体制を構築する。

 これらの新車種の生産開始に伴い、MMPCは第一段階としてプレス工場新設を含む43億ペソ(約105億円)以上の投資を実行する計画で、生産規模の増強に応じた更なる投資ならびに雇用拡大も進めていく。

 フィリピンにおいて本格的なモータリゼーションが進むと見込まれる中、今般の生産車種の拡充は「CARS Program」に呼応して日系部品メーカーの同国への進出を促し、自動車部品産業の裾野の拡大ならびに自動車産業全体の活性化にも寄与するものである。

 また、双日は、ジャックス(本部:東京都渋谷区)、フィリピンで三菱ブランド自動車を組立・販売するミツビシ・モーターズ・フィリピン(MMPC)、および同国最大の商業銀行BDOユニバンク(BDO)の子会社BDOリーシング・アンド・ファイナンス(BDOLF)と、フィリピンで三菱ブランド自動車を専門に取り扱う販売金融会社MMPCオート・ファイナンシャル・サービシズ(MAFS)を合弁で設立することについて合意し、1月28日付で合弁契約を締 結している。

 MAFSにおいて、双日とMMPCは三菱自動車ディーラーと連携しながら共同で営業展開とマーケティングを担い、ジャックスは日本およびベトナムとインドネシアで培った販売金融のノウハウを提供する。また、BDOLFはBDOが全国に有する拠点網を通じてフィリピンの金融ノウハウの提供や運営面での支援を行うことで、強固な経営体制を構築する。これにより、双日とMMPCはフィリピンで三菱ブランド車の更なる販売拡大を推進する。

 1億人超というアジア有数の人口を抱えるフィリピンの自動車販売市場は、近年の同国の堅調な経済成長と消費市場の伸張とともに拡大を続けており、 2015年の年間販売台数は前年比19%増の約32万台を記録、MMPCはこのうち5万4,087台(市場シェア16.8%)を占有している。今後、 MAFSとして2020年までに年間2万台超の三菱ブランド車の販売金融の契約獲得を目指す。

 このように、有望なフィリピンにおける双日の自動車事業基盤強化が進展している。なお、MMPCの現行資本金は16億4,000万ペソ。出資比率は三菱 自動車51%、双日49%となっている。現在の年産能力は約5万台、生産車種は、アドベンチャー、L300などであるが、今後、年産能力・生産車種ともに 拡充されることになる(双日株式会社のニュースリリースなどより)。