国民食ジョリビー・フーズ、15年は10%減益

2016/02/09

一時的費用など控除の実質ベースでは8%増益
3,117店(海外642店)に、出資分含むと3,635店

 

 ファ-ストフード・チェーン最大手で、国民食とも称されるほどの人気を誇るジョリビー・フーズ(JFC)が、2月9日に、2015年(1月~12月)の決算速報を発表した。

  2015年のグループ全体の総売上高は前年同期比10.9%増の1,307億3,300万ペソ、営業収入は同11.2%増の1,007億8,300万ペソに達した。しかし、原材料費や輸送コスト上昇、急ピッチの店舗網拡充やITシステム近代化等の先行投資負担などにより、報告純利益は同10.2%減の49億2,700万ペソ、帰属純利益は同10.4%減の48億0,700万ペソ、1株当り純利益(EPS:完全希薄後ベース)は同10.9%減の4.417ペソへと減少した。

 ただし、買収コストなど一時的費用(約10億ペソ)などを控除した実質ベースでは同7.8%増益となる。一時的費用が集中した第4四半期の帰属純利益は前年同期比44.9%減の9億4,800万ペソと大幅減益となったが、同様に実質ベースでは8.2%増益となる。

 JFGは2015年に303店を新規オープンした。内訳は国内店が246店 海外店が57店であり、双方での積極出店が続いた。ただし、99店が閉鎖されたことで、2015年の店舗純増数は204店であった。

 これらの結果、2015年12月末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,475店。内訳はハンバーガーのジョリビー916店、中華のチャウキン439店、ピザのグリーンウイッチ231店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン374店、鶏肉・バーべキュ-のマン・イナサル459店、バーガー・キング56店 となっている。

 一方、海外店舗数は642店舗。そのうち、中国ではファースト・フードチェーンのYongheキング(永和大王) が321店、粥チェーンの宏状元餐が42店、華南の牛肉麺チェーン三品王59店となっている。また、海外でのジョリビーは139店(ベトナム72店、 米国32店、ブルネイ13店、サウジ10店、クウェート4店、カタール3店、シンガポール2店、香港1店、UAE1店、バハレーン1店)。これらを含むジョリビーフーズ・グループ 国内外総店舗数は3,117店舗に達している。

 このほか、50%出資の「ハイランド・コーヒー」101店、同ベトナム麺の「フォー24」36店、40%出資の米国「スマッシュバーガー」352店など50%以下の出資の合弁事業店舗数は518店に達している。これらの合弁事業分も含めた総店舗数は3,635店舗となる。

 2016年も国内外で積極出店する方針である。2016年の設備投資予定額は104億ペソと更に拡大する見込みである。104億ペソのうち78億ペソが新規出店や既存店改装に充当される見込み。海外では2016年に英国とイタリアへ、2017年には日本や豪州などへも進出意向である。先進国市場などにも積極進出し5年間で売上高と純利益を倍増させ、ファ-ストフード・チェーンでの世界トップ5を目指すとのことである(16年2月9日のフィリピン証券取引所回覧00631-2016号などより)。